2話 危険が危ない真夜中のミッドナイト。
2話 危険が危ない真夜中のミッドナイト。
閃光神化5に届いたセンエース。
圧倒的な力を身に纏いながら、
しかし、心は、いたって冷静で――
(カミノ……暴走したてめぇの力を回収する……それ以外に、『本当のトゥルーエンド』に届く方法はねぇ……トコもセイラも、お前も……全部救い出す……そこまでやって、はじめて、俺が望むトゥルーエンドたりえるんだよ)
ほとんど暴走していながら、しかし、決してゆるぎない鋼の覚悟で世界をにらみつける。
1000億年かけて積み重ねた力は伊達じゃない。
★
センエースの特攻で、
カミノは、とりあえず、爆散した。
閃光神化5に届いたセンエースの存在値は、最低出力でも『1000兆』を超えている。
存在値的にはゴミでしかないカミノに、抗う術はなかった。
サクっと爆散したカミノだった――が、
その肉体は、瞬時に、その場で再生される。
「ぶはぁっ!」
トーンを平定する過程の中で、
カミノは、自身のメモリを底上げしていき、
そして、ついにプラチナスペシャル『無限蘇生』を組み込むことに成功した。
メモリ不足が過ぎるし、そもそも無限蘇生を、完全な形で発現させるためのパーツ(コア)が足りない状態なので、ビックリするほど不完全な状態だが――一応、『どんな殺され方をしても、何度かは蘇生できる』という程度には運用が可能となっている。
「はぁ……はぁ……」
最初の死を経験したことで、
カミノの『中』で革命が起こる。
スルリと、
ヌルリと、
初めての経験のはずなのに、
まるで、
――何度も、何度も、何度も、経験してきた事の焼き直しかのように、
『1000億年』ほどかけて積み重ねてきた結晶をなぞるかのように、
カミノは、ユラリと、自身の奥にある可能性の輝き、
魂魄の革命へと向き合う。
パァアアっと、
何かが開く音が、
確かに聞こえたんだ。
「――神……化……」
気づけば、胸の前で手を合わせていた。
別に、祈っているわけじゃない。
ただ、心を整えているだけ。
心が正しい形をなすことが大事なのであって、
形式など、基本的にはなんでもいいし、最悪、やらなくてもいい。
重要なことは、
カミノの心が、『正しい形』を成した、という一点のみ。
神化によって、異次元の力を得たカミノ。
爆発的に膨れ上がった存在値は、往々にして、強い万能感をもたらすものだが、
しかし、大事な二人を失っていて、目の前には『強大過ぎる敵がいる』という状態なので、万能感や全能感のような、余計な感情を抱いている余裕はなかった。
「……数値的には……ゴミだな……俺は……」
神化したカミノのステータスは次の通り。
00000000000000000000000
名前『カミノ・キメラ』
・称号『創造主』
『神の異質同体』
《レベル》 【520】
[プライマルメモリ]【15%】
[デバッグコマンド]【8%】
[父性] 【150%】
[魂魄汚染度] 【2388%】
[主人公査定] 【52%】
[人間性] 【98%】
[破損度] 【2%】
[適合率] 【82%】
スペシャル「原初のイタズラ」
戦闘力評価「☆☆☆☆☆☆」
11111111111111111111111
存在値にすると、
およそ、800万。
『1000000000000000』
VS
『8000000』
カミノも、一般人からすれば、膨大な数字を誇っているわけだが、
しかし、対象となる相手が、あまりにエグすぎて、
普通に、ゴミとしか思えない。




