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80話 10倍・異次元砲。


 80話 10倍・異次元砲。


「俺にとって大事なものは一つだけ。その『一つ』以外は全部どうでもいい。というわけで、これから、徹底的に拷問してから殺すから。できるだけ苦しんで死んでくれ」


「ふむ。なかなか話の通じんヤツじゃのう。まあいい。それならば、まずは、ぶつかりあってから、改めて話をするとしよう。――限定空間ランク23」


 真っ白で、何もない、体育館サイズの空間の中で、

 カミノは、先ほど取り出した『まがまがしい剣』にオーラを注ぎ込み、


「存在値720……ちょっと前の俺だったら、泡を吹いて倒れているところだが……つい先日、『元主人公』という破格の肩書を持つ凶悪なキメラと融合できたんでね……今の俺に、勝てるヤツは一人もいねぇ」


 決め顔でそう言ってから、

 カミノは、空間を駆け抜けていく。


 現在のカミノの存在値は200ちょっと。

 数値だけでみれば、カミノの方が圧倒的に弱いが、

 カミノには、文字通りのクソチートであるデバッグコマンドがある。


「上エックス、下ビー、エルワイ、アールエー、モキュモキュ、フルモッキュ、F0000006!!」


 そのナンバーはオーラドール・アバターラ。

 10体のアバターラを出現させたカミノ。


 カミノの戦闘力は、まだまだゴミみたいなものなので、アバターラの数だけDPSが倍化する。


 ※ 『アバターラの存在値は、本体の7割ぐらいと、そこそこ強いのだが、ちゃんと鍛えていなければ、戦闘力がゴミすぎる』



 全部で11人になったカミノは、

 その勢いのまま、


「「「「「「「「「「「上エックス、下ビー、エルワイ、アールエー、モキュモキュ、フルモッキュ、F0000001!!」」」」」」」」」」」


 デバッグコマンドを入力し、


「「「「「「「「「「「10倍・異次元砲ぉおおおおお!!」」」」」」」」」」」


 10倍とつけたのは、そういう正式な詠唱があるのではなく、ただのノリ。

 10人で撃ったから、実質10倍。

 実際には、『7割火力×10』が上乗せなので、10倍にはなっていないが、その辺も全部ノリでしかないので、正確さはどうでもいい――というのが、カミノのスタンス。


 10倍・異次元砲を撃ちこまれたセイラは、

 極めて冷静な表情で、


「安全地帯を潰すように弾幕を張っておるのはいいんじゃが……その分、バラけておるから、10倍の火力を、そのまま丸ごとワシに叩き込むというのは避けるまでもなく不可能じゃな。まあ、一応、被害を最小限にするために避けさせてもらうが」


 そう言いながら、

 スルリと、『もっとも被害が少なくなる位置(アバターラが撃った一発には当たる位置)』へと移動してから、



「ドリームオーラ」



 バリア系のF魔法を使う。

 そんなに魔力を注ぐことなく、テンプレ形式で使用する。

 魔力とオーラの消耗を抑えた状態だが、丁寧に鍛えられたドリームオーラは、『存在値200ちょっとのアバターラ』が放つ異次元砲ぐらい、かき消す――とまではいかないが、そんなにダメージを受けない程度にまで、威力を軽減してくれた。


「今のムーブ一つだけでも分かるんじゃが……ぬし、戦闘力は低いようじゃな」


「……はんっ。なにを、得意げな顔で。俺の戦闘力がゴミだってことは、そこそこ強いヤツなら、みんな、秒で分かることなんだよ」


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