表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

493/1228

41話 ゴミの山はいらない。


 41話 ゴミの山はいらない。


 デバッグコマンドを使って、拷問系の魔法をアンロックしようとする紙野。

 だが、そこで、それまでずっと黙って紙野の行動を見守っていたトコが、紙野の前に立ちふさがった。


「……どうした、トコ」


「そこのカスみたいな親子では、エネルギー量が少なすぎる。無意味」


「……チリも積もれば山になるよ」


「ゴミの山がつくりたいの? なんのために?」


「……」


 そこで、トコは、クリミアの死体をチラ見して、


「なんのうまみもないカスみたいな親子を山ほど殺すより、そこで死んでいるような、イキのいいクズを殺した方が、遥かに効率的。最短で世界を取り戻したいというのが本音なら、ちゃんと最善の行動をとってよ」


「……」


 紙野が、トコの言葉と向き合っていると、

 そこで、トコが、


「……うっ……」


 頭を抱えて、少し、苦しみだした。


「どうした、トコ? 大丈夫か?」


 心配しながら、かけよって、彼女の頭に触れる紙野。

 そんな紙野に、トコは、


「……平気。問題ない……ちょっと頭痛がしただけ。まだ異世界転移になれていないだけだと思う。……そんなことより……さっさと、『良質な魂魄』を狩りにいってよ。神なら、神らしく、しゃんとして」


 娘にそうおねだりをされた紙野は、



「……わかったよ」



 しぶしぶだが、了承して、

 次の獲物を求めて影に潜もうとした。

 だが、そこで、トコは、


「実験」


 と、急に、謎の単語を発した。

 紙野が、不思議そうな顔でトコに視線を送ると、

 トコは、『赤いオーラをまとっているセーナ』を指さし、


「あれ、解除できるかどうか、実験してみて。『制限を受けていない完全なあんた』なら多分、楽勝で出来るんでしょうけど、『今のあんた』に出来るかどうかは分からないでしょ。今後、私が、ピンチに陥った時、絶死を使うかもしれない。あんたが、絶死を解除できるなら、安心して積むことができる。もしもの時のための保険はできるだけたくさんあった方がいい」


「……絶死の解除か……確かに、出来るかどうか、実験しておいた方がいいかな……」


 紙野は、そうつぶやくと、

 セーナの目の前まで歩き、

 彼女の腹部に拳をあてる。


 先ほどの、二人の会話を耳にしていたセーナは、抵抗することなく、紙野の行動を受け入れた。

 クリミアを簡単に殺せる相手に、何か抵抗したところで無駄だという諦観もあった。


「……上エックス、下ビー、エルワイ、アールエー、モキュモキュ、フルモッキュ、G0000032」


 前提となる詠唱を口にしてから、


「――殺神遊戯――」


 相手のスキルを解除するグリムアーツを放った。

 ランク魔法も、F魔法も、グリムアーツも、

 すべて、デバッグコマンドで再現可能。


 あまりにもチートが過ぎる異能。

 それが、紙野創蔵のプラス・プライマル・プラチナスペシャル『原初のイタズラ』。


「げほっ。がはっ! うぇっ!」


 紙野の殺神遊戯を受けて、

 激烈にゲロを吐いているセーナ。


 その様を見て、紙野は、ボソっと、


「……熟練度を強制的に上げた状態で使ったのに……なんだか、ものすごく出来が悪いな……魔法の変換率とかと違って、グリムアーツの熟練度は、『本物の経験値』がないとダメってことか……とことん、めんどくさいな……」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ