表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

469/1228

17話 状況だけは一丁前に異世界モノ主人公っぽいキムロさん。


 17話 状況だけは一丁前に異世界モノ主人公っぽいキムロさん。


 暴露のアリア・ギアスをガン積みしてから、

 キムロは、


「……よし、もういけるな」


 そうつぶやいてから、

 カードホルダーに込められているプロテクトを、鍵で解除する。

 十分な暴露を積んだため、簡単に障壁を突破することができた。


 そして、カードホルダーの中に収められていた、

 ひときわ異彩を放つ魔カードを取り出すキムロ。


「……は、はぁ? ……ら、ランク……333? さんびゃ、く……え……?」


 その魔カードに記されているランクを目の当たりにして、

 キムロの頭が、しっかりとバグった。


 魔カードは、高品質なものでもランク10とかが精々。

 最近、一部の上位者勢の中では、ランク20の魔カードが流通しているというウワサも聞いたことはあるが、魔カードのランクというのは、そのぐらいが限度。


 仮に、ランク30の魔カードなどが存在したら、世界がひっくりかえるレベル。

 だというのに、目の前にあるのは、


「さんびゃ……さんびゃく……さんびゃくさんじゅう……えぇ……」


 手が震えた。

 何度も自分の目をうたがう。

 理解できない領域。


「夢……? 夢だよな……え、違う? え、マジ? 模造品? いや、でも……」


 最初は、夢をうたがった。

 次は、レプリカである可能性。


 しかし、この魔カードからは、確かに、強大な力の奔流を感じる。

 手に取った者だけが理解できる、エゲつないほどの波動。


「……ランク333の……自分の存在値を補強する魔カード……これを使ったら、いったい、どれだけ、存在値が上がるんだ?」


 想像もつかなかった。

 魔王や勇者の存在値は800を超えているというウワサはよく耳にしている。

 存在値800は、『とんでもない高み』だが、

 しかし、ランク333の魔カードの前ではちりみたいな数字。

 魔王や勇者ですら、使える魔法のランクは20~23が精々。


「単純にランクの数字だけで計算すると……もしかしたら……存在値1万とかになるんじゃ……」


 前世でまったく勉強していないキムロだが、

 しかし、そのぐらいの計算は流石に一瞬。


(これがあれば……魔王や勇者すら瞬殺できる……いや、そんなレベルじゃない……全世界の全てを支配する完全な王になることも可能……)


 もし、本当に、存在値1万になれるのであれば、

 『全世界を統べる王』ぐらいは余裕だろう。

 問題なのは、


(……これは、魔カード……つまり、使い捨て……もしかしたら存在値1万になれるかもしれないが、それは、たったの一度だけ……一瞬だけの栄華……それじゃあ、王にはなれない……その『一瞬だけの栄華を謳歌している間に、俺より強いやつを全員殺せば、俺が一等賞になれる』が……)


 頭の中で、必死に未来を描こうとする。

 あまり頭はよくないが、

 『欲望』だけは一丁前なので、

 どうにか、『理想の答え』に辿り着こうと必死になることはできた。



 ――キムロは、無数のチートアイテムをもって転生した、

 まさに、異世界転生モノの主役のようなポジションにいる。

 しかし、この世界に存在する『王級』の連中は、

 のきなみ、存在値が500前後、あるいは、それ以上と、

 バカみたいに強い連中ばかりで、

 キムロ程度の存在値では、

 いくら、チートアイテムをもっているといっても、

 さすがに歯がたたなかった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ