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16話 なぜか優遇されているキムロさん。


 16話 なぜか優遇されているキムロさん。


「俺の名は気室きむろ。転生者だ」


 とうとうと、自分語りを始める気室。


「日本でのうのうとヤンキーをやっていた……そんなある日、『ヌル』とかいう、やべぇやつが、ドラゴンボ〇ルのセ〇みたいに、テレビで人類に宣戦布告して、世界中の人間を殺していったんだ。あれにはビビったねぇ」


 前世のことを思い出し、今、少し、本気でブルっとするキムロ。

 ちなみにヌルは、テレビにほんの少しお邪魔しただけではなく、

 すべてのSNSにも明確な爪痕を残し、

 全人類に『ヌル』という恐怖をまき散らした。


「どうやら、日本にも魔力やオーラを使えるやつは何人かいたみたいで、必死にヌルに抵抗していたが、全員、秒で殺された。当時の俺は、なんの力も持っていなかったから抵抗の一つも出来ずに殺された」


 日本では、魔法もグリムアーツもアリア・ギアスも、何も出来ないのだが、

 『携帯ドラゴン』と呼ばれるオーパーツを所有している者だけは、その手の特殊技能を使うことができた。

 そして、その携帯ドラゴンを持つ者だけで構成されたチームが存在し、世界を裏から牛耳っていた。


 ――その組織のリーダーの名前は、田中東志。

 天才しか生まれない田中家の中でも、ぶっちぎりのスペックを誇る超天才。

 そんな彼が、『神の試練』を乗り越え、携帯ドラゴンを手に入れた。

 おまけに、彼は、全世界最高峰の闘神『ソンキー・ウルギ・アース』と完全融合を果たしたりもした。

 さらに、トウシは、親戚である『田中裏介』とも一つになり、

 プライマル・プラチナスペシャル『共鳴融合』を覚醒させたりもした。

 当然のように究極超神化7に届いた田中トウシ。

 当然、無敵。

 ぶっちぎりの最強。


 『どんな脅威が襲い掛かろうと、田中トウシがいれば問題ない』

 ――トウシの実力を知る者は、全員、そう思っていた。


 けれど、ヌルは、その幻想をブチ殺した。

 彼らの世界は秒で完全に崩壊した。


「なにも出来ずに死んで……気づいた時、俺は、この世界でおぎゃあと産声を上げていた。感動したねぇ。異世界転生モノのことは心底バカにしていたが、自分の身に起これば、これほどうれしいことはない。俺は、ただ転生しただけじゃない。前世の記憶と、ボーナスをもっていた。生まれた瞬間からアイテムボックスを使えたし、その中には、いくつかのチートアイテムが保管されていた」


 と、そこまで言った時点で、

 キムロは、自分がもっている『まがまがしい鍵』をチラ見する。


「……ちっ。まだか。……もう、かなりの暴露を積んだんだが……」


 ため息を一つはさんでから、


「魔石と鍵だけじゃなく、他にも、まだ三つほど、俺は、チートアイテムをもっている。その内の一つは、経験値を稼ぎやすくなるものだ。俺自身に才能はなかったが、そのアイテムのおかげで、俺はレベルをガンガン上げることができた」


 そこで、もう一度、キムロはカギをチラ見する。

 すると、


「……よし、もういけるな」


 そうつぶやいてから、

 カードホルダーに込められているプロテクトを、鍵で解除する。

 十分な暴露を積んだため、簡単に障壁を突破することができた。




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