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9901話 戦力が足りない。


 9901話 戦力が足りない。


「……っ……やはり、ソンキーが中心になると、さすがに無理か……」


 あっさりとボコボコにし返された。『ショデヒ(クロート)』も、なんとか、必死に抵抗していたのだが、あまりにも、戦闘力に差がありすぎた。


「ショデヒでは、さすがに役者が不足しすぎているな……まあいい。十分、カナリアとしての役目はこなしてくれた」


 などと、口にした直後、

 ショデヒは、


「……っ!」


 白目をむいて、その場にバタリと倒れこんでしまった。

 Tの猛攻で気絶したわけではない。

 ただ、クロートのマリオネットゲイザーが切れただけの話。


 ――ショデヒが倒れた直後、

 空間に亀裂が入った。

 そして、その亀裂の奥から、

 クロートが、這い出てきて、


「……さて……それじゃあ、ウォーミングアップは終わりにして……本気の殺し合いをはじめようか」


 威圧するような表情で、首をゴキゴキと鳴らしながら、そう宣言する。


 当たり前だが、ショデヒとは別格の覇気。

 時限の違うオーラを感じ取ったTは、

 返事の代わりに、迷うことなく、



「――究極超神化!!」



 初手から強めのギアを入れる。

 超神を超えた上位者の形態に変身。


 呼応するように、クロートも、


「――究極超神化」


 合わせていく。

 まるで難易度の高いアクロバティックなダンスみたいに、

 テンポをチューニングして、互いの『底』を探っていく。


 両者の武がまじりあって空間にヒビができる。

 コスモゾーンの法則がせわしなく適応されていく。

 まるで、頑張り屋さんのメイドみたいに、テキパキと、破損された世界を修復していく。

 無駄な破壊が起きないように力場の修正とコンパクト化が際限なく積み重ねられていく。


 そんな、『コスモゾーンの舞台作り』に意識をむけることなく、

 Tとクロートは、無邪気な戦闘を謳歌する。


 その流れの中で、


「究極超神化3!!」


「……究極超神化3」


 さらなるギアを入れていく両者。

 正直、『究極超神化2』は使い勝手が悪いので、

 究極超神化3以上に変身できる者は、たいがい、究極超神化2を飛ばす。


 究極超神化3は、究極超神化の完成形と言ってもいいレベル。

 『究極超神化』という変身システムは、『3』がコスパ最強で、以降は、コスパという点では明らかに劣っていく。

 もちろん、4・5・6と末尾の数字が上がった分だけ、『出力』は底上げされていくのだが、総合的な品質と言う点において、3は、最高傑作と言っていいレベルの仕上がり。



 ――究極超神化3同士の闘い。

 ここでの闘いで、だいたいのことは分かる。


 この戦いの中で、Tは理解する。


(ウソやん……たかが『配下の一人』が……ワシと同等?! ウソやん?!)


 クロートは、本当に強かった。


(……ぃ、いや、もちろん、『完全に全部を取り戻した100%状態のワシ』の方が、こいつよりも上やけど……)


 ギリっと歯噛みする。

 正直、Tは、『真・神帝陛下ヌル側の戦力』を甘く見ていた。


 『対策必須のヤバい壁』はヌルだけで、

 ほかは、金魚の糞ぐらいにしか思っていなかった。


 『露払い要員を用意しておかないと』――ぐらいにしか考えていなかったのだが、

 しかし、『今のTと同等』となると、そのレベルを用意するのは非常に難しい。


(集めた情報によると、ヌルの配下の中では、クロートなんざ『中の上』ぐらい……『酒神』や『蝉原』や『超苺こいちご』は、普通に、クロートより強いというウワサ……え、これ、どうする? ……戦力が、全然たりへんねんけど……)



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