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9899話 相手は死ぬ。


 9899話 相手は死ぬ。


「お前の知らないところで、革命が起きたんだよ。蝉原勇吾が究極超神化8のカケラを回収した。――蝉原……性根は腐っているが、さすがの仕事ぶり。禁止魔カードを使ったとしても、『極めて短い時間』しか、この世界に顕現できなかったというのに、見事、完璧に仕事をはたしてみせた。ちなみに言っておくと、この暴露のアリア・ギアスも前借りした上での強引な介入。つまりは、かなり『ギリギリ』だったということ」


 蝉原は、実は時間が限られていた。

 しかし、それを悟らせないように、うまく立ち回っていた。

 騙されたのは蝉原だけではなく、ザンクの方も。


「おかげで、この疑似世界にまで手を伸ばすことが出来た。俺だけしかねじこめなかったのと、いくつかの縛りを受けるハメにはなるが、お前を叩き潰すことは不可能じゃない。なんせ、私は、『真なる神の帝センエース・ヌル陛下』の配下なのだから」


「……『出来の悪いパチモンの成りそこない』に、よくも、まあ、そこまで惚れ込めるもんやな。おどれの器のたかが知れるってもんやで」


「それは、もしかして、挑発か? ふっ、くく……陛下の尊さが理解できない愚者の言葉など、私の心には響かない」


「あれのどこが尊いねん。好き勝手暴れ回って、端から暴食していっただけ。世界で一番タチの悪いイナゴみたいなもん。害虫の中の害虫」


「……ああ、なるほど。挑発ではなく、時間稼ぎだったか。わざわざ、無理に、陛下を貶めなくていいから、好きなだけ時間を稼げよ、田中トウシ。カケラしか持っていない今の貴様が、どれだけを積んだとしても、私の相手にはならないから」


「……時間稼ぎしとったんは事実やけど、無理に貶めたわけやないで。ワシから『ジュリア』を奪い取った、あのクソボケに対する罵詈雑言なら、なんぼでも浮かぶってだけの話や」


 そう言いながら、Tは、全身に力をこめる。


「――ジュリアは必ず取り戻す。こっちには、オリジナルのセンエースがおるんや。パチモンごときが、いくら頑張ったところで、『センエース』には勝てん。ベースがセンエースで、CPUがワシ。そんで、こっから、ゼノリカも復活させる。ゼノリカと絶対的精神的支柱のシナジーを、ワシがより凶悪に稼働させて、センエースの全部を底上げする。つまり、どういうことか分かるか? ――相手ヌルは死ぬ!!」


 そう言い捨ててから、

 Tは、グっと、顎を上げて、天を睨み、


「エルメスゥウウ!」


 腹の底からの大声。

 命じられたエルメスは、

 Tの上空から、Tの頭めがけて、豪速で落下してくる。


 その流れの中で、Tは、


「トランスフォームゥウウ!!」


 叫ぶと、エルメスの体が発光して、粒子状に変化していった。

 そして、Tの体を包み込む。


 コンマ数秒の後、

 そこには、『龍の鎧をまとったT』が立っていた。


「死に晒せ、クソがぁあ! いうとくけど、ジュリアを奪われた今のワシは、死ぬほどブチ切れとるからなぁあ! 『大いなる田中家』の『主席エース』から『パートナー』を奪っておいて、ただで済むと思うよ、ボケがぁあああ!!」





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