表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

416/1228

9882話 業火を縫い合わせたような燕尾服。


 9882話 業火を縫い合わせたような燕尾服。


「……ん?」


 反射的に、体が迎撃態勢をとった。ホアノスは、最高位の議員。

 この世界で『高い地位』を得ようとすれば、『優れた存在値』を誇っていることは当然。

 東大理出官僚の偏差値がバカ高いのと同じ。


 優れた存在値を持つホアノスは、

 この『謎の状況』に対し、即座に対応しようと、

 反射レベルでオーラと魔力をひねり上げる。


 ショデヒも同じ。


 『なにか分からないが、ヤバそうだ』と意識が認識するとほぼ同時、

 魔力を練り上げて、迎撃できるようにポジションをセットする。


 二人の目線が次元の亀裂に釘付けになる。


 亀裂が入ってから、およそ5秒が経過したところで、

 その次元の裂け目から、

 『彼』はきた。



「お、いけたな……なんでだ?」



 業火を縫い合わせたような燕尾服をまとったイケメン。

 『彼』は、眼球を動かすだけで、周囲を見渡して、

 心の中で、


(……蝉原がテラスから『8のカケラ』を奪い取って、真・神帝陛下の底力が上がったおかげか? いや、違うな。それも、もちろん関係しているが……それ以外にも要因がある……)


 そこで、『この時空に残されていたログ』を確認するイケメン。

 数秒で、チェックを終えると、ニヤリと笑い、


(ああ、なるほど。『ミシャンドラ』に対するゲスな欲望に対する世界の不快感が、私をここに導いたか……くく……感謝するぞ、カスども。おかげで、この世界に干渉することができた)


 『この世界』に、『彼ら』が干渉するためには、絶対的な『前提』が必要になってくる。

 それは、ある意味で、『必然性』と言ってもいい。

 なんでもいいのだが、とにかく、『アリア・ギアス』的に、

 『何か』を積まなければ、この世界に干渉することは叶わない。


(この世界を恐怖と絶望で覆いつくせば、真・神帝陛下は、また一歩、究極超神化8に近づく。濃厚な絶望を演出するために、できれば、超苺こいちごあたりもつれてきたかったところだが、あいつの『前提』を積むのは難しそうだな。超苺のゲームメイクは完璧だから、いてくれると、非常に助かるんだが……てか、あいつなら、『前提をシカトして、こちらに滞在する』のも、どうにか、できるんじゃないか? あいつがその気になれば、『縛り』を突破する方法ぐらい見つけられる気がする……んー……まあ、その辺はおいおい考えるか。まずは、目の前のカス共を処理しないとな)


 などと、心の中で、ブツブツつぶやいているイケメン。


 そんな彼の動きを真剣に観察しているホアノスとショデヒ。


 ショデヒは、顔に冷や汗をうかばせながら、心の中で、


(……ま、まずいな……私のセブンスアイでも何も見えない……『とんでもない練度のフェイクオーラ』を『纏っているだけ』だったら、さほど問題ではないが)


 『フェイクオーラだけ異常に高性能の雑魚』というのもたまにいる。

 『そこまで珍しくはない』という頻度で存在しているから、

 ショデヒは、『どっちだろうか?』と悩んでしまう。


(……もし、バーチャや聖主級の化け物……となると……逃げた方がいいが、もし、そのレベルだった場合、実際のところ、逃げることも難しいレベル……さて、どうしたものか……)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ