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57話 反社的な理由で呼び出された自由人。


 57話 反社的な理由で呼び出された自由人。


「君がここに辿り着くための道筋を用意したのは俺。召喚をしたのはモナルッポ。……例えるなら、俺は国土交通省で、モナルッポは車」


「あんたが扱っとる道の上を、モナ様という車で運ばれて来たんがザンクさんか。なるへろ。ちなみに、ヤクザ神様、あんたは、なんで、ザンクさんをここにつれてきたん?」


「特に理由はない」


「ないんかい」


「あえていうなら悪意の好奇心かな」


「おっと、なんか、物騒な話になってきたなぁ」


 そんなザンクの言葉をシカトして、

 蝉原は続ける。


「君を、第一アルファ以外の世界に混ぜたらキケンだと思った。だから、やった」


「反社会的やなぁ。さすが、ヤクザの神様は格が違った」


 ケラケラと笑うザンク。

 その笑顔には、曇りが一切ない。


「何かをしてほしいと思って連れてきたわけじゃない。ちなみに、ここまでは、一応、『呼んだ者の責務』として、少しだけ、チュートリアル的なルートを用意してあげたけど、今後は好きに生きればいいよ」


「たまに、誘導されとるような『妙な違和感』を感じとったけど、それは、チュートリアルやったからか。なるほど、なるほど」


「かなり安全なチュートリアルを用意していたけど……君は、盛大に自爆してしまった。正直、そこだけは想定外だったよ」


「禁止魔カードという闇に手を出して、やばいもんを召喚して、蘇生できんレベルの殺され方をしてしまった……確かに、自爆やな。わろてまうわ。あ、ちなみにやけど、聖龍王国のトウシとかも、ヤクザ神様がここに呼んだん?」


「その辺の詳細に関しては禁則事項だよ。何もかもネタバレしてしまったらつまらないだろう? 本当なら、俺が君の前に出てくることもなかった。俺が今、こうして、君に、少しだけ説明してあげているのは、『死なせてしまった』ということに対する詫びだよ。自爆とはいえ、死なせる予定ではない部分で死なせてしまったことに対する詫び。もっといえば、俺なりの仁義だね。あのまま君を死なせてしまったら、俺のメンツにかかわる」


「ずいぶんと、自分勝手なご意見。さすが、ヤクザやねぇ」


 と、軽口の前を置いてから、


「ヤクザ神様、最後に質問。今後も、コスモゾーンへのハックは続けてええんかな? ヤクザ神様の視点で言えば、手塩にかけて創ったゲームを改造プレイされとるようなもんやろ? 気分が悪いんとちゃう?」


「この世界を創ったのは俺じゃない。こんな面倒くさそうな世界を創るほど、俺はヒマじゃない。俺は『この世界に田中ザンクを送り込む』という、ちょっとしたイタズラをしているだけだよ。だから、君が、コンピュータウイルスみたいに、この世界のシステムをいじくって遊ぶことに関して、むしろ、好感を抱いている。だから、今後も、好きに遊べばいい」


「……だいぶ性根が腐っとるな。さすが、ヤクザの神様」


 と、蝉原に対する感想を口にしてから、


「あれ? でも、それやったら、いつか、この世界の神様に、ザンクさんのイタズラがバレて殺されるってこともありえるんかな?」



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