39話 虚勢。
39話 虚勢。
「1億年修行するってのにも、だいぶ慣れた。なんか、もう、寝て起きたら終わっているって感じだ」
などと、うそぶくセン。
そんなセンに、シューリは、
「死ぬほど憔悴しているように見えるんでちゅけど?」
「はぁ? お前は、ほんとうに見る目のない女だな。ナメんなよ、ボケ。マジで、ぜんぜん余裕だから。なんせ、今回は、後半の5000万年、やることなくてずっと寝てたから。寝すぎて逆にしんどいってのはあるな。だから、ちょっと散歩してくる」
と、そう言って、外に出ようとするセンに、
シューリが、
「じゃあ、オイちゃんも散歩に行きたい気分なんで――」
そう言ってついてこようとするが、
「ついてくるな」
「オイちゃんも散歩したくなっただけでちゅ。それに、オイちゃんは誰の命令も聞く気は――」
「……頼む。シューリ」
「……」
「すぐに帰ってくるから」
と、そう言ってから、
センは、いったん、御用邸の外に出た。
森の中をちょっと歩いて、
その途中で、
「……はぁ……」
大木にもたれかかり、
天を仰いで、
(エグいって、エグいって、エグいってぇ……これは、さすがに、キツすぎる……)
あまりに辛すぎて、呼吸困難になりかけている。
(1億年は……長ぇよ……)
言うまでもないことを、どうしても言わずにはいられなかった。
(あんだけ……長いこと頑張ったのに……全然、強くなれなかった……ひどすぎる……)
今回の1億年でも、センは必死に頑張った。
なんだったら、これまでの二回よりも必死になって自分をイジメ抜いた。
しかし、
(存在値にして200億程度にしかなれなかった……こんなんじゃ、1兆に勝てるわけねぇ……『50倍の差』をくつがえすのは無理だ……『5倍』の『1000億』ぐらいを相手にするのがギリギリ……)
その悲観は、『想像』で言っているのではない。
今回の1億年の中で、一度、CPUの存在値を『1000億』に設定して戦ってみたことがある。
その闘いでは『命の全部を燃やし尽くせば、勝てなくはないかも』という程度の勝算は見えた。
だが、存在値1兆に設定して戦ってみたところ、
動きが、まったく見えなかった。
(……1兆は無理だ……遠すぎる……まともにやったら、絶対に届かねぇ……)
『1兆の敵』と戦うことを想像するだけでゲロが出そうだった。
今回の1億年では、ずっと、ずっと、この苦しみと闘い続けてきた。
(1兆に勝てるだけの力を身につければ、この苦しみから解放される――そう信じて頑張ったが、『100億の力』を『200億にする』のが精々だった……)
すごいことではある。
いまだ『レベル1』という『下地は最弱』の状態でありながら、
彼は、存在値を200億までもっていったのだ。
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名前『フルパワー・センエース』
・称号『永き時空を旅した敗北者』
『常軌を逸した狂気の努力家』
『絶望の運命に抗う冒涜者』
『武の極みを垣間見た修羅』
『半神』
『ナイトメアソウルゲーター』
『無限地獄を彷徨うファントムトーカー』
《レベル》 【1】
(存在値) 【203億】
[HP] 【70億/70億】
[MP] 【2億/2億】
[スタミナ] 【1億/1億】
「攻撃力」 【520億】
「魔法攻撃力」 【2億】
「防御力」 【5億】
「魔法防御力」 【2億】
「敏捷性」 【50億】
「耐性値」 【18億】
「HP再生力」 【9800万】
「魔力回復力」 【7000万】
「スタミナ回復速度」 【1億】
「反応速度」 【39億】
「隠しパラメータ合計値」【1700億】
習得魔法「無数」
グリムアーツ「無数」
スペシャル「不屈の魂魄」「サイコパス」「女性に弱い」
戦闘力評価「★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★」
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