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37話 くるしゅうない、そろそろ褒めてもいいぞ。


 37話 くるしゅうない、そろそろ褒めてもいいぞ。



 ニーを倒したことで、瞬間移動が可能になった『ヤオヨロズの迷宮』。

 転移の魔法をつかい、一瞬で抜け出すと、

 三人と一匹は、いったん、シューリの御用邸に戻り、


「ていうか、マジで2億年も修行したんでちゅか?」


「ああ、すごいだろ。そろそろ褒めてもいいぞ。くるしゅうない」


「なんで耐えられるんでちゅか? 普通、途中で気が狂いまちぇんか?」


「気も頭も心も魂も、全部が全部、何度も、何度も、狂いそうになった。だが、俺は、『絶対に折れてやるものか』と歯を食いしばって頑張った。どうだ、すごいだろ。そろそろ褒めてもいいぞ」


「きっしょいでちゅねぇ。あんた、絶対に、人間じゃありまちぇんよ。ゴキブリかチン〇スのなりそこないだとしか思えまちぇん」


「どういう意味? ねぇ、どういう意味? マジで理解不能だから、詳しく教えてくれない? お前の『今の発言』を、俺なりに因数分解すると、『ゴキブリかチ〇カスのなりそこないだったら2億年耐えられる』ってことになるんだけど、その解釈であってる?」


「うっさいでちゅねぇ。『ゲボ以下の屁理屈』を、嬉しげに、キーキーとわめかないでくだちゃい。存在と声量が不愉快すぎて、心が壊れそうになるんでちゅよ」


「キライぃ……俺、この女のこと、世界で一番嫌いぃ……」


 つい、頭を抱えて、彼女に対する本音を口にしてしまうセン。

 ここまでは、まだ『嫌いになりそう』という可能性の話に収まっていたが、

 ここで、センは彼女のことを『世界で一番嫌いな女』として正式に認定した。


 ――ぐちゃぐちゃと、言い合いながらも、

 センは、この日一日、シューリ&アダムの美少女二人とノンビリ過ごす。


 いまさら、慌ててどうこうすることも出来ない。

 というわけで、とにかく、全員が『センの休息』を中心にして、モノを考えている。


「ちょっと、こっちにきなちゃい」


 そういいながら、センを背中から抱きしめて、そのまま、ソファーに腰を下ろすシューリ。


「え、なにやってる?」


「オイちゃん、クッションを抱いていないと、ソファーに座っている時に、居心地の悪さを感じてしまう系女子でちゅから」


「だから、俺をクッションにしている、と? ……やめてくれる? ダルいから。休みたいんだよ。ついさっき1億年頑張ったばかりだから、休憩したいんだよ」


「オイちゃんは常に天上天下唯我独尊でちゅから、人の指図を絶対にうけまちぇん。クッションになるのがイヤなら、オイちゃんを殺して脱出しなちゃい」


「……めんどくせぇ女……」


 などと言いつつ、センは、シューリのクッションに徹する。

 理由は一つ。

 後頭部に、シューリの豊かなおっぱいがあたっているからである。

 それ以外の理由などない。


 ちなみに、センが、シューリのクッションをやっている間、

 アダムが勝手に、メイド的な仕事をこなしていた。

 身の回りのことを、彼女が、全部、率先して、完璧にやってくれるので、センは何もする必要がなく、ひたすらに、シューリのクッションに徹することが出来た。


 ただ、途中で、さすがに悪いかなぁ、と思い、


「アダム、いいから、お前も休めよ」


 と、声をかけたのだが、


「この上なく尊き御方、世界を救うヒーローである主上様のお世話係が出来ることは、私にとって、何よりの幸福でございます」


 などと言って、働き続けることを決してやめようとしない。

 とんだワーカーホリックである。


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― 新着の感想 ―
センとシューリの掛け合いが最高に面白くて大好きです!
[気になる点] 現在のシューリとアダムって何歳?
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