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14話 学歴社会教の教理は、実のところ、そこそこ尊い。


 14話 学歴社会教の教理は、実のところ、そこそこ尊い。


「しまらないオチだねぇ。せめて、こっちにも切り札を切らせてほしかったけれど……まあ、君では、その辺が限界だろうね。なんせ、君は、ただの劣化品だから」


「……さっきから、随分と煽ってくれるやないか。そんなにザンクさんのことが嫌いなんか? ザンクさんに親でも殺されたか?」


「粗悪品を見ているとイライラする。ほら、『出来の悪い芸人』が、テレビで、下品にはしゃいでいるのを見るとイラっとしてチャンネルを変えたくなるだろう? その感覚だよ」


「ついには、このザンクさんを、三流ヨゴレ芸人扱いか……随分と、まあ、盛大にハシャいでくれるやないか。言うとくけど、今、ザンクさん、普通にキレてるからな」


 そう言ってから、全身にオーラを充満させて、


「ウォーミングアップ前のアイドリングで、ザンクさんを測定するとか、アホすぎる。ここまで、その片鱗しか見せてへんかったから、分からんかったかもしらんけど、ザンクさんは、実は、あの田中家の血族なんや。この程度で終わるほど、大いなる田中家は、ショボい家系やない」


「君が田中家の血族? へぇ、知らなかったなぁ」


 と、またもや煽ってくる蝉原に、

 ザンクは、


「まずは、ザンクさんが多用してきた『イマジナリィ・マリオネットゲイザー』と『マフツノカガミ』を統合し、熟練度を強制的に底上げする」


 これは、システムの裏をついたバグ技。

 いくつかの穴に針を通すことで可能とした、普通では出来ない裏技。


「その上で、センテラスの可能性とドッキングさせて、お前を殺せる力へと格上げさせる。ザンクさん一人の力では、お前の足元にも及ばんけど、こっちには、センテラスとスーパーソンキーがおるんや。可能性だけで言えば、究極の無限大。あとは、ザンクさんが、どれだけうまくあつかえるか!」


「……『他人に頼る』か、『モノマネする』か……その二択しかないんだね、君は。ははは」


「――『学ぶ』と『真似る』は語源が一緒――その説がホンマかどうか、いまいち微妙。けど、説の信憑性とかどうでもええ。重要なんはシックリくるかどうか。そんだけ。『真似る』ことは学ぶ上で、もっとも重要なこと。まずは、真似て、型を盗み、そののちに、独自解釈を経て、オリジナルへと至る。――そのオリジナルを、また誰かが真似て、より洗練されたスタイルへと格上げしていく。それが『学習』の円。――『最初からオリジナルを求める』のは逆に迂遠うえんな、最遅の鈍行。モノマネの詰め込み、その最果てにしか、ほんまのオリジナルは存在せん! それが、ザンクさんの信念じゃい!」


 『学歴社会教』の『教理』を叫んでから、

 ザンクは、


「――目ぇひんむけ、アホんだら! ガリベン様が有する最強の兵器『学習』の最果てを見せたらぁ!」


 自分の中で、未来を創り上げていく。

 これは、ザンクにしか出来ないことではない。

 突き詰めれば、誰にだって出来ること。


 『劣等感を下地にして積み重ねてきた土台』の上にだけ咲く花。


 惨めで、無様で、みっともなくて、

 けれど、その割に、とても美しい大輪。






「プライマルゥウ! プラチナァァアア! スペシャルゥウウ!」






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