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7話 好きなだけ時間をかけてくれ。


 7話 好きなだけ時間をかけてくれ。


「俺の殺神蛇拳は、当たると、一瞬だけスタンが発生するデバフジャブ。ダメージを極限まで抑えるカスタムをほどこしたことで、相手がどれだけスタン耐性が高くても、そこそこデバフが通る。発生フレームが短く、コストも低い。崩し技としては、非常に高性能。この暴露を積んだことで、さらに、スタンの時間が長くなる」


「……えぇ……マジっすかぁ」


「スタン時間が、コンマ7秒から、コンマ8秒になるぐらいの強化……たった0,1秒の強化だけど、それが、どれだけ脅威であるか、君なら理解できるよね? ちなみに、強化時間の暴露を積んだことで、もう少し強化された」


「……」


「堅のムーブに徹しているところから、どうやら、『時間を稼ぎたいみたいだ』と推測できるけれど、君が時間を稼いでいる間にも、俺は、色々と積むことができるんだよ。いまも、ほら」


 そう言いながら、

 両手に集まっている淡い光を、センキーにみせつけて、


「――『拳気』の魔法を、極端なディレイ状態で発動待機させることで、効果を爆発的に上昇させている……本来なら秒で発動する魔法だけど、すでに、10秒以上ためている。もちろん、まだまだ時間をかけるつもりさ。ほかにも、いくつか、バフ魔法を、ディレイ状態で発動待機させている」


 狡猾で残忍で悪辣な蝉原は、決して、相手の思い通りに動いてやったりしない。

 戦闘においても、常に、いつだって、一貫して、

 『相手が本当に嫌がること』を追及していくスタイル。


「というわけで、好きなだけ時間をかけてくれ。その分、俺も強くなる。あ、ちなみに、俺は、『とっておきの切り札』も隠しもっていて、それの発動にも、かなりの時間がかかるんだけど……実は、戦闘開始前から、それを発動させている。切り札を発動させるまで、まだ10分ぐらいかかるから、出来れば、10分近くまで時間をかけてくれると助かるかな」


 ニコォっと、一見すると『さわやかに見えなくもない笑顔』を浮かべる蝉原に、

 センキーは、


「……嫌いだわぁ」


 と、純粋な本音を口にする。



 そこから、センキーと、蝉原は、ボコボコと、殴り合いを開始した。

 まあ、殴り合いといっても、センキーの方は、ほとんど手を出さず、

 距離を取りたい時だけ、押し返すように手を出す――と言った感じ。


 その途中で、センキーは、


「ちなみに、蝉原。切り札ってどんな感じのやつ? 教えて~」


 チワワのような目でそう問いかけていく。

 懲りずにカワイ子ぶっていくセンキーに、

 蝉原は、


「君を殺せる切り札だよ。出来れば、発動させない方が、君のためになると思うけれど……まあ、防ぐのは無理だろうね。はは」


「……なに、わろてんねん」


 普通にイラっとするセンキーに、

 蝉原は、


「しかし、ずいぶんと弱くなったねぇ。合体した時の戦闘力低下は、本当に凄まじい。あれだけ美しかった君の武が、今ではゴミのようだ。合体しない方がよかったんじゃない? ていうか、なんで合体したのかな? 何がしたかったの?」


「……随分と、煽ってくれるじゃないか。ほんと、嫌い」


「俺は、君のことが好きだよ」


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