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4話 スーパーソンキーのパーフェクトコール。


 4話 スーパーソンキーのパーフェクトコール。


 華麗な怪盗のように、鮮やかに、素早く、ソンキーの可能性をこじ開けていくザンク。

 どこぞの三世を彷彿とさせる、芸術的な手練手管。


(……開くぞ、ソンキー。あとはお前次第や。できれば壊れんな。仮に壊れても、センテラスだけは助けてくれ。頼んだで)


「壊れないと言っている。――俺は究極超神の序列二位。神界の深淵に救う宵闇。自縛を司る修羅にして、乱れ咲く銀の流星。彷徨う冒涜。ソンキー・ウルギ・アース。高みに到る程度で崩れてしまうほどヤワな器ではない」


 上昇していく。

 芯の奥からこみあげてくる覚醒の兆し。

 友情パワーだの、奇跡の力だの、

 そんな眠たい概念に頼りはしない。


 『純粋で狂気的な努力』と、『破格で暴力的な才能』という、『明確な質量を伴うリアル』だけで、未来を掴み取ろうとするザンクとソンキー。


 命が輝く。

 輝く明日が引き寄せられる。


 ソンキーが、『じっくりと積み重ねてきた全て』が、

 ――今、厳かに解放される。



「見せてやるよ……壁を超えた俺を」



 目を閉じて、天を仰ぐ。

 オーラの質に明確な変化が起きた。


 自重を忘れて沸騰していく。

 空虚な激流で趨勢すうせいを眺める。

 時勢の清流を補修する流儀。


 すべてが繋がっていく。

 その上で、引きちぎられていく無粋な鎖。

 つなげて、砕いて、そうやって、虚無を積み重ねていく、不自由な賽の河原。


 積み重ねた無意味は種。

 今、鮮やかに咲き誇る。


 気血津液きけつしんえきが厳かにゆらめく。

 至上の仁慈じんじが、清夏の海に徒波あだなみを起こす。


 鬱屈とした魂の行列。

 弊習へいしゅう難詰なんきつする整列。

 血涙が連鎖する陳列。

 憐憫れんびんすら毒づく羅列。


 光が、またたきを忘れた。

 それでいいと誰かが言った。


 冒涜の絵画を、スラムの空に描き殴る。

 『神を否定する神』になる克明な狂気。

 ネガティブではなくポジティブな否定。


 『神』は、ここで止まらない。

 ここを上限と決める気はない。


 ようやく歩き出した真の覇道。

 壁は砕け散り、迷路は死んだ。

 大いなる神の器が満たされる。


 全ての運命を飲み込んで、

 足りない絶望をかき乱す。


 しかして、

 たまゆらに、

 必然のように、


 ソンキーは、

 ――届く。






           X

           :

         〈* *〉

        [**X**]

    [X ※ * ※ * ※ X」

「―――――X【【究極超神化7】】X―――――」

    [X ※ * ※ * ※ X]

        [**X**]

         〈* *〉

           :

           X




 宣言により解放された神気は、

 あまりにも深い未知に包まれていて、

 囁きを失ったかのように思えた。


 けれど、その目眩は、ただの蜃気楼じゃなかった。

 蝕された銀と太陽の黒を包み込む、研ぎ澄まされた輝き。


 静寂の中、どこまでも深い輝きに包まれているソンキー。


 背負っているのは、アストラル神字が浮かぶ後光輪。

 星のフレームを持つ黒銀の結晶がちりばめられた、絶烈な究極超神気。

 銀華の煌めきを圧縮させたような、どこまでも冷徹なオーラ。



すべての限界を屈服させて、

 いと高く、彷徨う冒涜。



「……センテラス。俺を使え」



 高みに至った銀の流星は、

 迷いなく、テラスに、手を差し伸べた。



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