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113話 パーフェクトコール。


 113話 パーフェクトコール。


「――究極超神化6/スノープラチナ・メトロクロック――」


 サイアジは、渋い変身をしてみせた。

 『スピード重視のヒットアンドアウェイ型』で、デバフが得意なスタイル。

 究極超神化6の中では、唯一といってもいい、長期戦も得意なスタイル。


 もともと、究極超神化6は『一分しか変身できない』という、超短期決戦用の欠陥変身。

 だから、本来の運用法としては、デバフで相手の動きを遅くして、その上で、高速接近戦を仕掛けて最速で落とすことを目的としていたスタイルなのだが、

 今回、サイアジは、それとはまったく逆の『逃げ回る手法』をメインに据えて、このスタイルを選択した。


 そんなサイアジの選択に対し、

 テラスは、渋い顔で、


「あんた、無粋だねぇ……なに普通に、あとだしジャンケンしてくれてんの? そんな、ガブにミミ〇スを合わすような真似して、恥ずかしくないのかね。……こっちが等身大で『最大スペックのアポロプラチナ』を使ってんだから、そっちも合わせて、バチバチに頂上決戦の殴り合いしようよ」


「アホが、わざわざ、コスパの悪いアホな技を使ってくれているんだから、テキトーにいなすのは当然だろう」


 暴露を積んだからといって、絶対にアポロプラチナを使わなければいけないわけではない。

 その暴露を、他のエネルギーに変換した方が効果的な場合の方が多い。


 冷静かつ、非情で、徹底的にリアリストなサイアジの言葉に対し、

 テラスは、とことん渋い顔で、


「うーわ、今の発言は、いただけないなぁ。全世界のガブファンを敵に回した。あんた、終わったな」


 などと、ファントムトークで空気を散らしていく。


 その間も、サイアジに対する警戒心は怠らない。

 空気が張り詰められていく。

 多少、散らすぐらいでは崩せない。


 数秒の沈黙を経て、

 両者は武をかわしあう。


 テラスは力強く、豪快に、脳筋に、暴れ散らかしていく。

 それを、サイアジは、クールに、軽やかに回避していく。


 サイアジは、攻撃する気はまったくなく、

 徹底的に『堅』に徹している。


 カウンターを決める気すらなく、

 ひたすら、テラスの動きを見切ることに集中。

 まるで、死にゲーにおける、ボス観察ターンのよう。

 とにかく生き残って、相手の動きを覚えることに没頭しているかのよう。


 だから、当たらない。

 もともと、アポロプラチナの状態では、制御が難しく、命中率が下がるのに、

 これだけ、回避に専念されると、もはや、単なる扇風機。

 ブンブンふりまわして風を送るだけの装置――




「――と、思うよねぇ」




 サイアジが、完璧な緊急回避でテラスの攻撃を紙一重で避けた時のこと。

 テラスは、ニっと不敵に笑い、


「毘沙門天!! 限界を超えて舞え!」


 サイアジの『意識の死角』に忍ばせておいた『毘沙門天の剣翼』を起動させる。


 最大火力を誇る装備品を、あえて、設置技として活用するという狂気。

 『真正面からの殴り合い』を好む戦闘狂を意識づけした上での搦め手。


 通常なら通る。

 串刺しにならざるをえない場面。

 絶対に回避を許さない凶悪な暴力!


 だけれど、




           |

           :

         〈* *〉

        [*****]

    [* * * * * * *]

「――/\**【【究極超神化7】】**/\――」

    [* * * * * * *]

        [*****]

         〈* *〉

           :

           |




 寸でのところで、サイアジは、

 『次代の覚醒技』を使い、毘沙門天の剣翼を覇気だけで吹き飛ばす。


「っっっっっ?!!!!!」


 さすがに瞠目するテラス。

 目が点になって、アホみたいに口を開く。


(……パーフェクトコールの7も使えるのか……それは、ちょっと想定外……)



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