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33話 超必殺コンボ。


 33話 超必殺コンボ。


 軽やかに、舞うように、『ニーの攻撃』を回避したセンは、

 ブレイクダンスの流れの中で、


「――深淵閃風――」


 水平蹴りのグリムアーツを決めていく。

 センが会得しているグリムアーツは閃拳だけではない。

 『崩しの足技』や『速度重視の小技』や『超必殺技』など、

 無数のグリムアーツを磨き上げて、

 あらゆる戦場・戦況に対応できるよう調整してきている。


「ぺぎゃっ」


 本来、深淵閃風は、相手の足を払う『崩し技』だが、

 ニーには足も胴体もないので、ほぼ顔面キックみたいな状態になっている。

 本来の運用方法とは異なるが、

 時と場合によっては『こういう使い方』もありになる。

 その汎用性こそが『磨き上げたグリムアーツ』の強みの一つ。


「――神速閃拳――」


 豪速のジャブで追撃。

 とにかく発生速度を重視した閃拳。


 コンボ始動技としても優秀な二つの崩し技で、

 状況を整えてから、



「――龍閃崩拳りゅうせんぽんけん――」



 超必殺技を叩き込んでいく。

 磨き上げてきたグリムアーツ。

 常軌を逸した莫大な火力。


 もはや、ニーに抗うすべなどなかった。



 『膨らみつくした風船』みたいに、

 パァァァンッッ!

 と、弾けてしまったニーのプルプルボディ。


 龍閃崩拳後の残身状態で、『ニーの最後』を見届けたセンは、

 そこで、ボソっと、


「悪いな、ニー。どうやら俺は、ちょっと強くなりすぎてしまったようだ」


 テンション高く、キメ顔でそう言うと、

 一度、深呼吸で、心と身体を整えて、


「今の俺なら……『存在値1兆』が相手でも、どうにかなる気がする……」


 などと、そんなことを言ったところで、




「……いや、ムリだと思うよ」




 と、そんな声が頭の上から響いた。


「ん?」


 不思議に思ったセンが、自分の頭頂部を右手で触ってみようとすると、

 そこには、プニプニしたものがたたずんでいた。


「え……?」


 猫でも掴むようにして、頭から離し、確認してみると、

 そのプニプニは、『素の状態のニー』だった。


「? ニーさん、あなた、さっき、俺の龍閃崩拳で弾け飛んだよね? え、これ、どういう状態?」


「ニーを倒した勇者には、ニーが贈呈されるんだよ。それも、新たなご主人に適応した状態に生まれ変わった上でね。微力ながら、今後、御主人のために、がんばるから、よろしく、どうぞ」


「……摩訶不思議アドベンチャーが、とまらねぇな、おい」


 などと、直線状の感想を述べてから、


「いろいろ、よくわかんねぇが、『お前ぐらい強いやつが味方になる』ってのは、正直言って悪くない話。でも、いいのか? 俺と一緒にいるってことは、存在値1兆と戦うってことになるんだが」


「いいも悪いもクソもへったくれもないよ。ニーはただ、自分の運命にしたがうだけさ」


「……へぇ。いい覚悟だ。こっちとしてはありがたいだけだから、何の文句もない」


 『89億の戦力が手に入った』という事実に高揚するセン。

 ほぼ、戦力が倍になったと言っても過言ではない。


「ちなみに、一つ聞いておきたいんだが……今の俺でも、存在値1兆を倒すのは無理なの? なんか、さっき、『ムリだと思う』とか、チャチャいれられたけど」


「うん、無理だと思うよ。『ニーとご主人の欲張りセット』×『1000』ぐらいの戦力で挑んでも秒で殺されて終わりだと思う」


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― 新着の感想 ―
超必殺技の「龍閃崩拳」からの追撃、 コンボが決まった時の爽快感が半端ないです! 読んでいて鳥肌が立ちました!
[一言] これで確信した。作者さん、あなた...ドラゴンボール好きですね?
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