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92話 うぬぼれ。


 92話 うぬぼれ。


「――これまでのザンクさんの違和感を統合すると……『ザンクさんがお前を召喚した』んではなく、『ザンクさんの行動をコントロールしとる誰かが、ザンクさんを使って、お前を、ここに送り込んだ』と考える方が自然。ほんまに鬱陶しいけど……んー、まあ、そこに対してイラつくんは後にしとこう」


 ペラペラと、軽やかにおしゃべりをしつつ、


「お前がここに送り込まれた理由が何なんか……その辺を紐解くためにも、とりあえず、まずは、殴り合ってみようか。脳筋談義は、アホの諸行やけど、やってみると、意外に、色々と見えてくるもんがあるから不思議やね」


 そう言った直後、

 ザンクは、イマジナリィ・マリオネットゲイザーで、

 『センエースの動き』をトレースして、

 パラミシ・アジ・ダハーカに突撃する。


 集中講義で、センエースと鍛錬を積んだことで、

 ザンクは、そこそこに神闘を理解し始めていた。

 狂気的な学習能力と暗号解読能力で、

 『センエースの教え』を、ほかの誰よりもしっかりと吸収したザンクは、

 相当な『知識の塊』になっており、

 かつ、いくつかのバグ技を駆使したことにより、

 『基礎的な数値』の方も、実は、そこそこに高くなっている。


 存在値にして500。

 戦闘力評価もそこそこ(極めて優れた学習能力は、体術にも活かされる。『魔法やオーラの補助あり』での評価になるものの、『一般人の領域』はすでに卒業してしまっている。筋トレをサボっているので、『肉体をサポートする魔力やオーラ』が無い状態では、だいぶザコいが)。


 その上、過剰に高度な魔法を『反則的なほど自由』に扱うことも可能。

 さらには、異質なバグ技で、相手を壊すことも可能と、なんでもあり。


 ――だから、ザンクはうぬぼれていた。

 いや、正当な自己評価か。


 事実、ザンクは、とんでもないスペックの持ち主。

 そんな『とんでもない才能』を持つ者が、

 バーチャや、センエースや、ドーキガンや、ゾメガや、ミシャや、モナルッポのような、

 とんでもない人材たちに囲まれ、多くを学び、

 『莫大な価値のある知識と経験』を得たのだ、


 だから、『相手が大神級の龍種であっても、その気になれば、どうとでも出来る』と考えてもおかしくはない。

 というか、本来であれば、その思考は、何も間違ってはいない。


 今のザンクがその気になれば、

 大神級の龍種、その天才型と言えど、

 対処することは普通に可能。



 ――だから、問題だったのは、



 目の前にいる龍が、

 『パラミシ・アジ・ダハーカではなかった』ということ。


「くく……まさか、貴様ごときが、この私に勝てるとでも?」


 小バカにした『半笑いの声』が、ザンクの耳に届く。

 理解するよりも早く、ザンクは片腕を飛ばされた。


「っ???!!!」


 『吹っ飛んだ右腕』が視界の隅で回転していた。

 激痛と衝撃が遅れてやってくる。


「っ――がっぁあああああああっ!」


 こみあげてきた悲鳴。

 脳がバチバチになっていく。


「ぐっ……ぐぅうううっ! け、欠損治癒ランク15」


 即座に回復魔法を使う。

 しかし、


「っっ?! ぎゃぁあああああっ!」


 回復魔法を使ったことで、

 むしろ、さらなる激痛に襲われるザンク。


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