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85話 大いなる責任。


 85話 大いなる責任。


(……もしかして、そいつらバグ? いや、話を聞いた限り、バグとかじゃねぇか……バグどもは、実質、ただの虫だし……あ、でも、ナイトメアソウルゲートで闘った時の二体のバグは、一応、対話とかできて人間的だったなぁ……)


 バグにも種類があることを知っているセンは、

 色々な可能性を考える。


(……んー、『災厄』の正体で、考えられそうなのは……まあ第一候補としては『バグの変異版』で、バーチャとか聖主とかいう連中。……で、第二候補が、邪神の力を奪った『俺』……)


 そこまで考えたところで、

 ふと、センは、『彼』のことを思い出す。


(あ、あと……『Tが俺みたいに転生した』ってパターンもあるか……あいつ、腹の底では、なんか黒い事を考えていそうだったからなぁ……)


 ちなみに、これは偏見である。

 Tは、センに対して、ほぼ完璧な態度を貫いていた。


 『Tが、腹の底では黒い事を考えていそう』という予見は、センの『Tに対する苦手意識』と『自分自身でも理解できていない謎の嫌悪感による疑心暗鬼』でしかない。


(他にも、謎の第三勢力的なのがいる可能性もあるよなぁ……)


 色々と可能性はあるが、

 現段階だと、見えてこないので、

 いったん、『枝葉を伸ばして考える』のはやめておくことにするセン。


(……南大陸に邪神ミシャが出現して、北大陸に災厄バーチャが出現した……と捉えておくのが一番丸いかな)


 などと、センが結論を出した直後、

 あらかたの説明を終えたドーキガンは、


「今後、『聖龍王国』と『こちらサイド』の戦争は確実に起こるでしょう。その時の戦力は出来るだけ多い方がいい。センさん。あなたには、こちらサイドの切り札になっていただきたいと考えています」


(バグの処理だけでも大変だってのに、余計な手間をかけさせやがって……)


 と、最初は思ったのだが、


(……でも、これは、ある意味でチャンスか? この戦争を経験値稼ぎの場にして、『対バグ戦』における総合的な戦力を鍛えておく……というのは、悪い案じゃない……)


 バグは強大な敵。

 倒そうと思えば、強大な力が必要不可欠。

 最低でも、ドーキガンとゾメガの神種を開いておかなければ話にならない。


 ドーキガンは、神妙な面持ちで、


「まだ一介の学生でしかないあなたには荷が重い話でしょう。けれど、『人類の切り札』という重大な役割は、誰にでも出来るものではありません。あなたは、ボクやゾメガさんと同じで、優れた才能をもって生まれてきました。大いなる力には大いなる責任が伴います。あなたは、力をもって生まれた者としての責任を果たさなければいけません」


 ドーキガンの言葉は、センの耳には届いていない。

 聞く必要がなかった。

 なぜならば、そんなことは産まれる前から知っていたから。

 言われなくとも、センは、ずっと『大いなる責任』と向き合っている。


(この戦争で、俺と、ミシャと、ゾメガと、ドーキガンの可能性を開く。あと、エルメスとか、出来れば、そのバーチャや聖主とかいうやつも抱き込んで……なんだったら、他の、優秀そうなやつを、全員、開花させて……そうすれば……バグに勝てる可能性は……なくもない)


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