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78話 戦闘力は、バーチャよりも上。


 78話 戦闘力は、バーチャよりも上。


「分かるぞ、ワンダーマン。お前の経験値はゼロじゃない。けど、たぶん、『触れたことがある』とか『知っている』という次元が精一杯で、『そこから先』を体験したことがねぇ。だったら無理だ。俺には永遠に届かねぇ」


 そう言いながら、

 センは、


「少しだけ体験させてやるよ。これが『積み重ねた武』の未来だ」


 そう言い捨てると同時、

 センは腰を低くして、


「深淵閃風」


 豪速の水面蹴りで、ザンクの足を払う。

 悲鳴をあげるまもなく体勢を崩されたザンク。

 『体勢を立て直さなければ』と思うよりもはやく、


「神速閃拳」


 豪速ジャブ二発のメテオスマッシュをいれられて、

 地面にガツンと、仰向けにたたきつけられる。


 背中の痛みを感じる間もなく、


「逆気閃拳」


 腹部に、『ワケの分からん一撃』を叩き込まれ、

 そこで、ようやく、


「ぶげはぁあああああああああっ! ウオェッ!」


 大量の血を吐くザンク。


 もはや、動くことは叶わず、

 ピクピクと痙攣することしか出来ない。


 ――そこで、ザンクは気づく。


(……あ、あかん……こ、こいつ、確実に、バーチャより強いっ……バーチャも、相当な戦闘力を誇っとったけど、こいつは、その上におる……ありえんレベルの化け物……っ)


 『存在値』という『明確な数値』の上だと、

 センは、バーチャよりもはるかに『下の領域』にいる。


 しかし、『戦闘力』という視点で言えば、

 センは、完全に、バーチャを置き去りにしていた。


(……まるで、異次元の閃光……『状況証拠』と呼ぶのも『お粗末』な状態やけど……間違いない……こいつが、『舞い散る閃光』……)


 ザンクは確信する。

 確定的な証拠など一つもないので、間違っているかもしれないが、しかし、『間違っていても知った事か』と思った。

 そのぐらい、ザンクは、センの強さに衝撃を受けた。


 ――ザンクは頭がいい。

 そして、その破格の頭脳で、『神闘』という概念を解析し、バーチャとの戦闘を糧に、自分の中へと、明確なシルエットとして落とし込んでいた。


 バーチャを軸にして、神闘という概念を、自分の中で『明確化』していたザンクにとって、やはり、どうしても『バーチャ』が最大のシンボルだった。

 そんなザンクの『心のシンボル』を、センは豪快に叩き割った。

 その上で、シルエットを掴ませない。


 圧倒的頭脳を持ち、コスモゾーンを覗き見することができるザンクだからこそ理解できる。

 センがいかに破格の存在であるか。



(……焦がれるねぇ……)



 初めての感覚だった。

 超神バーチャを見た時でさえ、こんな感情は沸き上がらなかった。


(……『ソコ』から見える景色……興味がないと言えばウソになってまう……)


 この瞬間、ザンクの中で、また一つの目標が生まれた。


 ・トウシを出し抜く事。

 ・神を出し抜く事。

 ・パートナーを見つける事。


 ――そして、


(舞い散る閃光よりも高い場所に立ち……そこからしか見えない風景を確かめること……)


 たくさんの『メインクエスト』を抱えて、

 かなり忙しくなりそうだが、

 しかし、この状況を、ザンクは、

 非常に楽しんでいた。


(おもろい……おもろいやないか……)




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