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64話 秘密の部屋の深層に行きたいんです。


 64話 秘密の部屋の深層に行きたいんです。


「くそ、くそ、くそぉおおお!」


 と、全力で嘆きまくっているボーレに、

 チームリーダーのカルシィが、


「いまさら喚いても仕方がないだろう、ボーレ。ここからは、この場にいる8人全員での共闘戦だ。陛下に勝つことだけを考えろ」


「勝てるわけねぇだろぉお! ゾメガ・オルゴレアムの存在値を知らねぇのか?! 800を超えてんだぞ?! ふざけんじゃねぇよ、まじでよぉお! そんなもんの相手なんかできるかぁああ!」


「本気で闘われたら、そりゃ相手にならないだろうが、今回のサバイバル戦で介入なさる場合は、当然、大幅に力を抑えられるという話。確かに、勝つのは無理だろうが、ハンデ戦かつ時間制限ありなのだから、生き延びるために最善をつくせ」


「最善を尽くして、どうにかこうにか生きのこったとしても、その時はすでに満身創痍で、他のチームに狩られるだけのまとじゃねぇかぁあ! くそがぁああ! 詰んだぁああああ!」


 そんな風に嘆いているボーレの背中を見つめながら、

 元ゴブリンの魔人であり、本作の主人公であるはずの男『セン』は、


(ゾメガとの戦闘か……まあ、さすがに勝てるわけがねぇなぁ……)


 心の中でつぶやきながら、

 編入試験でのことを思い出す。


 編入試験で、センはゾメガと戦った。

 当然、ゾメガは手を抜いていたが、

 ゾメガはとんでもない強さで、

 命の高みというものを、センに、まざまざと魅せつけてくれた。


 もし、センが、ナイトメアソウルゲートでのあれこれを経験しておらず、

 この世界で生まれ育った純粋勝つ生粋のゴブリン魔人だった場合、

 おそらく、ゾメガの輝きに魅了され、憧れ、

 はては、彼のビルドやスタイルを真似するところまでいきついていたことだろう。


(本気を出されたら、当然、一瞬で消し炭にされる。……問題は、どのぐらい手を抜いてくれるか……まあ、普通に、『学生でもギリギリ対処できるレベル』に抑えるはず。……だから、ボーレが言っていた通り、重要なのは、ゾメガというハードルを越えたあと……)


 センも、ボーレと同じく、

 『ゾメガ』という難題をクリアしたとのことを考える。


(ボーレの懸念どおり……ゾメガ戦で満身創痍になってしまえば、その後、一般学生に狩られてしまう……)


 ギリっと奥歯をかみしめるセン。


(……サバイバルは年に一回しか行われない……ここを逃したら、褒章を得るチャンスは、一年間のびる……この『一分一秒が惜しい状況』で、一年ものタイムロスは許容できねぇ……)


 サバイバルや龍試など、難題をクリアした場合、

 学校側から単位とは別に、『褒章』をあたえられる。

 褒章は、『小さなバッジ』の形状をしており、

 獲得した者は、制服の胸ポケットに佩用はいようするのが基本で、

 優秀な学生は、胸に、複数の褒章をつけている。


 ――ちなみに、カルシィは、全部で23の褒章を胸ポケットにつけている。


(他で代用できるなら別にいいんだが……『秘密の部屋』の『深層』に辿り着くためには、サバイバル褒章が必須だからなぁ……あぁ、ウゼぇ……)




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