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62話 輝くような魂を持ち、無限の可能性を持つ元ゴブリンの魔人。


 62話 輝くような魂を持ち、無限の可能性を持つ元ゴブリンの魔人。


「敵が侵攻をはじめてから対処をするのでは遅い。やるなら、先手を打つべき。仮に、すべてが疑心暗鬼で、聖龍王国が悪ではなかったパターンもありえるが、それは想定しない方向でいくべきじゃろう。『可能性』に振り回されていては前に進めん。すべての『可能性』に対処できるほど、我々は強くない」


 ゾメガは、強大な存在である。

 膨大な魔力を誇る化け物。

 しかし、過信はしない。

 愚かさを排斥して、明確な未来のビジョンを持つ帝王の中の帝王。


「力を貸そう。ドーキガン・ザナルキア。邪神と災厄に支配された聖龍王国を、北と南の豪傑が手を結び、完膚なきまでに亡ぼす。その聖戦に勝利した時、『命』は未来をつかみ取る」


「……ありがとうございます、ゾメガさん。あなたが力を貸してくれると、非常に心強い」


 と、ドーキガンが心の底から感謝の言葉を述べたところで、

 天幕に、ゾメガの配下の一人が入ってきて、


「失礼します、陛下。学生たちは、第17ミッションを盛大に失敗した模様です。予定どおり、『エリア新緑32-5』へ出撃していただいてもよろしいでしょうか」


「……うむ。問題ない。すぐにいく」


「はっ」


 一度、深々と頭を下げてから、

 配下の一人は、天幕の外に出ていった。


 配下の姿が見えなくなったところで、

 ドーキガンが、


「……ゾメガさん。今は、学生の相手をしている時ではありません。早急に、聖龍王国への対策を煮詰めないと」


「実は、学生の中に、とんでもない原石がおる。先日、編入試験を受けたばかりの『元ゴブリンの魔人』なのじゃが……輝くような魂を持ち、無限の可能性を持つ原石。あやつが順調に成長すれば、必ず、対邪神戦の切り札になるじゃろう」


 元ゴブリンの魔人――『センエース』が、魔法学校への編入試験を受けた際、

 ゾメガは、たまたま、特別試験官として参加していた。


 ゾメガは、この学校の理事を務めているので、

 結構な頻度で、顔を出して視察している。


 その編入試験の際、

 ゾメガは、一瞬で、センの異質な才能を看破した。


 以降、ゾメガは、ずっと、センに注目しており、

 今回のサバイバルでも、ムリヤリ、

 『自分とセンの対戦カード』を組むように指示してみたりもした。



 //ちなみに、そんな、センの編入奮闘記も、なかなか見ごたえがあるのだが、しかし、モナルッポ&ザンクさんに出番の全てを奪われて、出番が、大幅カットォオ!

 とても主人公とは思えない、極めて残念な有様!//



「ゾメガさん、あなたが、他者をそこまで評価するのは、非常に珍しいですね。珍しいというか、初めてみました。いつもは、配下の面々に対して厳しい評価ばかりくだしているというのに……」


「余は、まっすぐな評価しか下さない。絶対に『世辞』は言わんし、『感情に任せた不当な低評価』もしない。無能は無能と断じるし、可能性のある者は、可能性があると、そのまま評価する」


「……そんなゾメガさんが、『無限の可能性を持つ原石』とまで評価する存在ですか……非常に興味が湧いてきました……」


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