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44話 ちょっと有名なポールさん。


 44話 ちょっと有名なポールさん。


 ザンクは、ワンダーマンの擬態のまま。

 モナルッポは、ポールに擬態した状態。

 ドーキガンも、『そのまま聖龍王国に潜入すると動きづらくなってしまう』ので、擬態の魔法をかけて、『モナルッポが召喚したスタービースト』という形に落ち着かせた。


 そんな状態の奇妙な三人組で、聖龍王国内を散策中に、


「お、ポールじゃないか」


 偶然、サーバンに出会ったモナルッポ。


 軽く、挨拶を交わし合った後に、

 サーバンは、モンスターに擬態しているザンクとドーキガンをチラ見して、


「後ろの中級モンスター2体は、使役しているのか? それとも召喚している感じか?」


「どちらも召喚獣ですよ。俺のメイン職業は戦士系ですが、サブで召喚士の職業も獲得していますので」


「そっちのワンダーマンは大したことなさそうだが……こっちのスタービーストは、なかなかの眼力だ……一介の中級モンスターとは思えない覇気を感じる……」


 まじまじと、ドーキガンを観察してから、


「ポール。お前は、直接的な戦闘能力だけではなく、召喚士としても、なかなかのようだ。しかし、少々、不安定ではある模様」


 チラと、ザンクを見てから、


「潜在能力は素晴らしいものがあるが、まだまだ発展途上で、安定感にかける。精細さを磨いて、高い次元の力を安定して発揮できるように成長できれば、お前は、俺の隣に並ぶこともできるだろう。がんばれ、ポール。お前の未来は明るいぞ」


 と、サーバンなりに、ポールを高く評価してから、

 ご機嫌で、その場を去っていった。


 そんなサーバンの背中を尻目に、

 ザンクは、


(ザンクさんの凄さを一目で理解せぇ、言うのは、まあ、もちろん、難しい話なんやけど、あんなにも、しっかりと、節穴ぶりを見せつけられると、さすがに、わろてまうなぁ。がんばらなあかんのはお前の方やで。まあ、お前ごときでは、いくら頑張っても意味ないけど)


 心の中で、さらりと酷いことをつぶやきつつ、

 モナルッポの後ろを、黙ってついていく。


 細かく、街中を観察していると、

 そこで、ザンクは、一つの事に気づく。


(この街の構造……完全なる合理性を感じる。地形や住民の特性を考え抜いた上での完璧な演算……この繊細な仕事……身内のノリを感じる……おそらくやけど……東志が、関わっとるんちゃうかなぁ……)


 モナルッポに案内され、聖龍王国を観察していった中で得た『細かい情報』を繋ぎ合わせていった結果、ザンクは、


(この国を支配しとる聖主ってのは、どうも、東志っぽいんよなぁ……たぶん、この世界のゲームマスターをしながら『この国の中枢にも関わっとる』みたいな感じちゃうかなぁ)


 などと考えていると、

 ちょうど、そのタイミングで、



「お、ポールやないか。なにしてんの?」



 『準優勝の商品をくれた、元大会運営の一人である青年』が、

 気さくに、モナルッポに、声をかけてきた。


「バーチャ様に会えないかなぁ、と思っておりまして、色々と方法を探っていたところです」


「会ってどうするん?」


「前回、あなたからいただいた魔カードを、召喚の魔法として使わせてもらって、強力なモンスターを召喚したので、再挑戦してみようかと思いまして」



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