表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
266/1228

41話 『用があって知人に会いにきたら、その場がピンチに陥っていた』というだけの話。


 41話 『用があって知人に会いにきたら、その場がピンチに陥っていた』というだけの話。


「あれ? なんで、急に、帰るん?」


 と、ザンクに聞かれて、

 モナルッポは、


「ドーキガンが、俺と対話したがっている。おそらくだが、ここにきたのは、それが理由だろう」


 ドーキガンは『ヒーローだから、ピンチの現場に駆け付けた』というワケではない。

 『用があって知人に会いにきたら、その場がピンチに陥っていた』というだけの話。


 モナルッポは、自室で『出迎え』の準備をする。

 はじめて対話をしたあの日以降、

 モナルッポは、いつ、ドーキガンが訪ねてきても問題ないよう、

 自室に、色々と準備を整えている。


 ほんの数秒で出迎えの準備を整えると、

 ちょうど、そのタイミングで、ノックの音が響いた。

 モナルッポからの入室の許可が出ると同時、

 ドーキガンは、モナルッポの自室に入り、

 用意されたソファーに腰をかけると、


「モナルッポさん、あなたに相談したいことがあって、ミルス王国によらせてもらったのですが……まさか、壊れたヘルズ覇鬼に襲われている真っ最中だとは思いませんでしたよ」


「俺も、まさか、あれほどクリティカルなタイミングで、君が訪ねてくるとは思っていなかった」


 などと、軽く、挨拶の言葉をかわしあってから、

 ドーキガンが、


「あまりに唐突すぎて、状況がまったく理解できていないのですが、いったい、何がどうして、あんなことに?」


「年に一回の大研究会で、それぞれの召喚獣を見せ合う……みたいな流れになって、その中で、トーンのカバノンが召喚したヘルズ覇鬼が、壊れて暴れ出してしまった。レバーデインが殺されそうになっていたところだったから、きてくれて本当に助かった」


「召喚獣が壊れる……なかなか聞かない話ですね。まあ、絶対にない話でもないんでしょうけれど。過去に、1~2回、そういうケースを対処したこともありますしね」


 今回のように、『壊れた直後に、たまたま居合わせる』というケースはまれだが、しかし、北大陸で、壊れたモンスターが暴れた際には、ドーキガンが出動するというケースはかなり多かった。

 理由は、もちろん、経験値稼ぎ。

 邪神対策に躍起になっているドーキガンにとって、

 壊れたモンスターは、格好の獲物だった。


 ドーキガンクラスになってくると、その辺の雑魚モンスターをちまちま狩っても、大してレベルを上げることはできない。


 だいたいの事情を呑み込んだドーキガンに、

 モナルッポは、


「それで? 人類最強の剣よ。俺に相談とは?」


「ああ、実はですね、昨日、夢でお告げがありまして」


「……夢?」


「ただの夢とバカにしてはいけませんよ。邪神出現の預言も、かつての巫女が夢でみたものですから」


 『邪神が出現する』という預言に関しては、

 『巫女が夢でみた』というケース以外にも、

 『遺跡で発掘された古文書に記されていた』というケースや、

 『ダンジョンの最奥の壁画に記されていた』というケースなどがある。


 この世界のあちこちで、

 『いずれ、邪神が召喚されて、この世界が滅びる』

 という予言が刻まれているため、

 ただの戯言ではなく、真実なのだろうと認識する者が多い。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ