表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

249/1228

24話 モナルッポ王子の力も、ぜひ見せていただきたいねぇ。


 24話 モナルッポ王子の力も、ぜひ見せていただきたいねぇ。


(特に、情報が少ないのは、やはり、フーマーの使徒……国全体が秘密主義で、『誰が、どの程度の力を持っているのか』や『軍としてはどの程度の戦力を抱えているのか』など、その辺が、いつまでたっても、さっぱり見えてこない……)


 ――この大研究会において、下位3国は、

 上位国に対して、

 『われわれは、こんなに力をもっている、余計な手出しをするとかみつくぞ』

 と、威嚇をかまし、

 上位3国は、

 ほかの上位国に対し、

 『わかっていると思うが、下手な動きをみせるなよ』

 と、牽制をはさむ。


 そんな、威嚇と牽制が堪能できる大研究会も、

 そろそろ、終わりの時を迎えようとしていた。


 いつも通り、裏では、そこそこピリつきつつも、表では、あるていど和やかに、すべてのプログラムが終了しようとしていた、その時、

 トーン共和国の代表であるカバノンが、


「モナルッポ王子の力も、ぜひ見せていただきたいねぇ」


 などと、爆弾を投下する。

 カバノンは、『ミルスの王族に関する情報』を、当然、ある程度以上につかんでいる。


 牽制の一つとして『ミルスの恥であるモナルッポ』を引き合いにだしてくるあたり、

 カバノンの性格の悪さがうかがえる。


 『国家間の軋轢あつれき』を生むことが目的ではない。

 これは、かるいジャブ程度の牽制にすぎない。

 ちょいと、おたがいの距離感をはかっているだけ。

 ようは、ちょこっとだけ『マウントをとった』みたいな感じ。

 下位の国から上位の国に対して、この牽制は出来ないが、

 上位の国から下位の国に対しては、こういう『軽いマウント』も許される。


 正式な序列で言えば、トーンは3位で、ミルスは4位。

 どっちが上位国で、どっちが下位国か、それを、明確化させようとするトーンの思惑を正確に受けとったレバーデインは、


(非常に不愉快……だが、別にかまわない。どちらの方が強いかは明確。それに、身内の恥にも、もう慣れた)


 ここで、怒って、トーンとにらみ合うようなマネはしない。

 トーンが、『一つ下のミルス』に対して、『上下関係を明確化させようとしてくる』のにも慣れている。

 こんな時、モナルッポの存在は、むしろ、ありがたいとすら思う。


 できるだけ恥はかきたくないが、

 ミルスには、『うまくかわせる恥のかきかた』がある分、

 精神的な疲労と苦痛は少なくてすむ。


 悪いのはバカなモナルッポただ一人。

 そう言う風に自分を慰めることが出来れば、

 心の平安はたもたれる。


 レバーデインは、モナルッポに視線を向けて、


「モナルッポ、お前も何か召喚してみろ。自分にできる最高峰を、各国の代表に見てもらえ」


「了解です、兄上」


 元気に返事をしてから、

 モナルッポは、両手に魔力を集中するというポーズをとる。


 そして、空中に『簡易なジオメトリ』を描きながら、


「来い、ワンダーマン」


 そう宣言すると、

 ジオメトリの向こうから、

 『剣を持った青年のようなモンスター』が飛び出してきた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ