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17話 パッケージ化されたエクリプスコードなら、部分的に活用できんこともない。


 17話 パッケージ化されたエクリプスコードなら、部分的に活用できんこともない。


 神字の複雑さは常軌を逸している。

 『神』と呼ばれている高次生命体であっても、神字を完璧に理解している者はいない。

 どうにか、一部だけを理解し、その可能性の一端を享受する――それが、神字の限界。

 ――だが、そんな常識など、ザンクには通じない。


(……物質や概念に、情報処理と動作処理を指定できる言語……こいつは、なかなかむちゃくちゃな概念。これをうまく扱えれば、それだけで、世界を手中に収めることも可能……ただし、ソースを組むためには、『神気』と呼ばれる上位オーラが必須……今のザンクさんでは扱えん……)


 ザンクは、どうにかして、神気がなくても、神字を扱える方法はないかと、思案してみたが、


(ここに関しては、さすがに無理か? いや、あるはずや……何か……それこそ、魔カードでどうにか……)


 とことん集中して、どうにか、抜け道を探そうとするが、


(……ダメやな……今のままでは、どうあがいても、『完全に扱う』んは無理や……)


 正道の走破は不可能くさい。

 ――しかし、


(パッケージ化されたエクリプスコードなら、部分的に活用できんこともないな……かなり、限定的な運用しか出来んけど、やり方次第では、風穴をぶちあけることもできるかも……)


 ザンクは没頭する。

 豪速回転し続ける頭脳。

 体が渇き、血が足りなくなる。

 それでも、脳だけは悲鳴をあげない。

 ザンクの脳は、『根性』もイカれている。


 ひたすらに、没頭した結果、ザンクは、一つの答えを得る。


(この魔カード……システムの一部が、惑星制御プログラムと領域外GISネットワークに繋がっとるな……)


 モナルッポから借りた『ランク20魔カード』には、明らかな調整が施されている。


(出力をコントロールするための安易な方法……神字のプロテクトを使っとるから、暴かれるはずなんかないというおごりが見られる……くくっ……確かに、普通のヤツには絶対に無理やな……けど、ザンクさんならいける。ザンクさんだけはいける!)


 容赦なく、徹底的に、魔カードの裏を暴いていくザンク。


(システムの核を守るプロテクトは、かなり強固……これと同じ防衛プログラムを組むことは、ザンクさんやと、1000年かけても無理……けど、解除するだけなら不可能やない!)


 詰将棋を創ることはできないが、解くことはできる。

 そんな感じにとらえてもらえれば、今のザンクの心境が少しは理解できるやも。



「よぉおし、突破ぁあああ!」



 急に、大声を出したザンク。

 その声に、ビクっとなるモナルッポ。


「ど、どうした、急に……」


「ん、ああ、気にせんといて。難しいパズルを解けて、ちょっと興奮しただけやから」


 そう言ってから、ザンクは、また作業に没頭する。

 その中で、


(……これ以上もぐったら、さすがにサーチされそうやな。現実的に考えて、ここらへんが限界……まあ、でも、問題はない。現段階でも、権限の一部に干渉できるようになった。ここまでくれば、十分……)


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