表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

240/1228

15話 世界のコードで遊ぶ者。


 15話 世界のコードで遊ぶ者。


 親戚の顔を思い出している間も、ザンクは、ひたすら、解析を続けていた。

 無数の思考を並列に展開させながら、それぞれで、超高度な演算を超高速で繰り返す。



 その結果、



「――遊玄術ゆうげんじゅつランク21」



 ザンクは、サクっと自分の殻をやぶっていく。

 ありえない速度で、ありえないレベルの魔法をもてあそぶ。


 その様を目の当たりにしたモナルッポは、


「……その程度の魔力で……ついには、レバーデインと同等の魔法を操るようになったというのか……」


 モナルッポは、バカではない。

 かなり優れた知性を持っている。

 だから、ここまでくれば、

 さすがに、ザンクの『イカれ方』が理解できた。


 具体的に、『どのぐらいの天才か』は分からないが、

 少なくとも、『天才である自分モナルッポ』を置き去りにしている、

 ということは間違いなく理解できた。


「モナさんよぉ、この程度で、驚いとったらあかんで。ザンクさんは、まだまだ高く飛ぶ」


 そう言いながら、ザンクは、先ほど、顕現させた『遊玄術』の魔法をさらに複雑化させて、


「――遊玄解術ランク21」


 解析系に特化させた魔法へと昇華させる。

 この魔法は、簡単に言えば、世界のソースコードを盗み見て、そして、介入できるようになる魔法。


(さて……ほな、世界の舞台裏を、すべて、あますことなく見させてもらおうか……)


 一ミリたりも、自重も遠慮もせずに、

 躊躇なく、世界のソースコードを盗み見たザンクは、


(おそろしく複雑なコード……けど、なんもわからんことはない……ザンクさんなら、介入できるはず……知らんけどっ!)


 すぐさま、自由に、『自分』を刻み込もうと、

 システムへの介入を試みようとするが、


(……っ……あかんな……)


 序盤の段階で、壁にぶつかってしまった。


(……プロテクトが、想像以上にエグい……だいぶ強固な防衛システム……こいつに対して介入・改竄を実行できるだけの知識が、まだ、ザンクさんにはない……)


 そこから、ザンクさんは、

 魔カードについての禁書を読み込んでいく。

 重厚な鈍器を、またもや、ほんの数秒で読破してしまうと、


(思った通り、魔カードは、異常なほど便利な代物やな。その気になれば、ザンクさんのしょぱい魔力を補完することもできるかも。そうすれば、いちいち、面倒な処理をせんでもすむようになる)


 今のザンクが高位の魔法を使おうとすると、

 余計な手順を大量に踏まなければいけない。


 手順をふむだけで、高位の魔法が使い放題という状況は、かなり破格だが、もし、今、ザンクが、『鉄火場の殺し合い』に足を踏み入れたら、面倒な手順を踏んでいる間に殺されてしまう。


(肉体強度の脆さが問題……その辺の問題を、今、この場で解決するんは、さすがに無理やな。10年ぐらい、筋トレさせてもらえるなら、肉体改造することもできるけど、今日・明日でどうにかするんは無理……となれば、肉体強度も、魔法で補助するしかないな……最善は……機動魔法がええかな……パワードスーツは男のロマンみたいなところもあるし)



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ