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10話 ザンクさんにかかれば、赤子の手をひねるようなもの。


 10話 ザンクさんにかかれば、赤子の手をひねるようなもの。


(俺は、死んでいる場合じゃないんだよ。やるべきことは腐るほどあるんだ……)


 この最悪の状況をどうにか対処しようと、

 モナルッポは、頭をまわした。


 その結果、


「いいか、ザンク、よく聞け」


 真実をぶつけて、対処をしようとこころみる。


「俺は、今、聖龍王国の件で忙しい。お前にも分かるように言うと、今、この世界は、聖龍王国に飲み込まれるか否かという、人類史上最大級の危機的状況下にある。そして、そのことに気づいているのは人類側だと俺だけだ。俺はどうにかして、聖龍王国に対抗するための力を得なければいけない。そのための準備で死ぬほど忙しいんだ。お前の相手をしている余裕はない」


「おやおや、どうやら、思っとったよりも、だいぶお困りのようやな……しゃあない。知恵をかしたろう。というわけで、奴隷のお前に命令や。この世界の『あれこれ』や『現状』に関して、全部教えろ」


「ぐっ……だから、お前に説明しているヒマなどないというのに」


「ザンクさんも死にたぁない。というわけで、力を貸したる。ザンクさんの協力があれば、聖龍王国の対処なんか、赤子の手をひねるようなもんや。知らんけど」


「……お前に何ができる」


「それを模索するためにも、情報がいる……というわけで、さっさと答えろや、マイ奴隷」


「……くっ」


 命令されると逆らうことはできない。

 奴隷の立場は弱すぎる。


 仕方なく、モナルッポは、ザンクに、世界の情勢について、ザックリと話した。

 かいつまんで、要点だけを並べる。

 普通の人間なら、『それだけ』で『現状を理解する』のは難しいが、

 ザンクは、頭の出来が違うので、


「なるほど、なるほど……世界情勢については、だいたい理解できた。色々とえぐい状況やな。話を聞く限り、人類は、ほぼ詰んどるようなもん。その『ランク20の魔カード』とやらをちょっと見せてくれ。どんなもんか見てみたい」


「話を聞いたんだから分かるだろう。俺は、お前と遊んでいる余裕なんかないんだ。いいかげん、解放してくれ。とりあえず、俺を奴隷にする権利を放棄して――」


「マイ奴隷、モナルッポよ。田中・イス・斬九が命じる。さっさと見せろ」


「……さ、最悪だ……」


 悲痛の表情で天を仰いでから、

 モナルッポは、アイテムボックスからとりだした魔カードを、ザンクにわたす。


「なるほど……んー……モナルッポ……魔カードに関する『お前が知っとる知識』を全部教えろ。あと、魔カードに関してのことが記されとる書物とかあったら全部見せろ」


「……はぁ」


 『逆らうだけ無駄だ』と理解できる頭脳はあるので、

 モナルッポは、とにかく、さっさと、ザンクとの時間を終わらせようと、

 命令に対して無駄に逆らわず、言われた通りに行動していく。


 もちろん、命令に従いつつも、心の中では、


(どうにかしないと……どうにかして、この状況を処理しないと……)


 ザンクの処理方法について思案していた。


(ザンクを殺せないというのが厄介……どうすれば、この状況を打破できる……考えろ……考えろ……)


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