84話 根性には自信があるモナルッポ。
84話 根性には自信があるモナルッポ。
(俺の拳は、あの化け物にも届く……)
最後の最後、すべての覚悟と地獄をぶち込んだ結果、
モナルッポは、『バーチャの底』を『ほんの少し』だけ知った。
(あの時……極限状態で発動した『マイクロ・サイコジョーカー』……アレは、おそらく、あの神器に搭載されている特殊機能の一つ……あの瞬間、とてつもない精神圧迫がかかったが、その分だけ、潜在能力が開かれた気がした……いや、気がしただけではない。おそらく事実だ……苦痛と引き換えにリミッターを強制的に解除する機能……あの技術が、他の神器にも搭載されていると考えると、脅威だが……あれをうまく扱えるやつは、そういないだろう……俺以外で、耐えられるやつがいるとは思えない)
モナルッポは、昔から根性に自信があった。
泥にまみれようが、ゲロを吐こうが、
関係なく、信念に没頭できるという強い自負。
必要とあらば、土下座だって出来る。
仇敵の足をナメることもいとわない。
――そこにあるのは、まっすぐな信念。
カスみたいなプライドよりも、実利をとるのがモナルッポの信条。
(ヒントは得た……俺自身の手で、マイクロ・サイコジョーカーを再現した装備品をつくる……)
難しいのは分かっている。
現段階では、何をどうすればいいのかさっぱり不明。
しかし、ゴールがあれば、迷わずにダッシュすることが出来る。
『月まで走れ』と言われている気分。
しかし、『暗闇の中』で『存在するのかどうかすら不明な、あやふやすぎるゴールを模索する』より、
『どんなに遠くとも、目視できているゴールを目指す』方が、
精神衛生的には、だいぶまし。
今は『実際、たどり着けるかどうか』は重要ではない。
大事なことは『奥歯をかみしめて、走り出せるか否か』である。
モナルッポは、未来を想う。
綿密に、すべてのルートをプラン立てしていく。
(とりあえずは、マイクロ・サイコジョーカーの再現を、全力で試みて……もし、どうしても、不可能なようであれば、聖龍王国軍から鹵獲して使用すればいい)
簡単に結論づけたが、
もちろん、『簡単ではない』ということは理解できている。
それに、
(……まあ、あれだけの神器となると、『敵に奪われた際、装備効果がなくなる』という『予防・対策用の魔法か、アリア・ギアス』がこめられている可能性もあるから……できれば、自力で再現したいところ……)
モナルッポは、未来を想う。
国を、世界を、人類を背負った王として、
自分に出来る精一杯を成そうと、必死に奮闘している。
(なんにせよ、俺がもっと強くなる必要がある。どんな方法を使ってもいいから、とにかく、聖龍王国に対抗できるだけの力を身に着ける。限界まで強くなって……その上で、ドーキガン&ゾメガと力を合わせれば……どうにか、バーチャを倒すことも不可能ではない……はず)
三人がかりでなければ無理。
それは間違いない。
バーチャは、とんでもない化け物。
人類の英雄総出でなければ勝てない。
――だが、集まれば超えられる。
決して超えられない壁ではない。