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72話 調査を開始していくモナルッポ。


 72話 調査を開始していくモナルッポ。


「キッチリと税を納めれば、仕事は自由に選べる。力を示せば、上級国民になることも可能。最上級の進化種ならば、それも難しくないだろう。ルールに従い、成果を示せば、この国では、そこそこ豊かに生きていける。――ただし、犯罪に手をそめたり、家賃を滞納したりすると、軍から目をつけられ、自由を失う。以上だ。あとは好きにやれ」


 最低限の『生き方』を伝えると、

 役人風の男は、最後に、


「この国の法律や、職種についてなど、細かいことは、役所で聞け。仕事も、役所で紹介してくれるしな。裏の仕事がしたいなら、賭博場や闘技場に行った方がいいが、あまりお勧めはしない。お前らは幹部候補生なのだから、まっすぐに、その道を突き進んだ方がいい」


 しっかりと、説明責任を果たすと、

 役人風の男は、そのまま踵を返して、検問所に戻っていった。


 残されたモナルッポとキッツは、


「……もっと原始的な国を想像していたのが、思いのほか、文明レベルが高い……」


「事前に私が入手した情報では、聖龍王国の都市レベルは、もう少し低いという話だったのですが……」


「……もしかしたら、ランク20の魔カードを生成できるようになったから、急激に成長した、という可能性もあるな……」


「建築系や生活系の高位魔カードが大量にあれば、それも可能ではありますが……」


「魔カードの製造方法だけではなく、この都市全体の情報が欲しい。徹底的に調べるぞ。手伝ってくれ」


「御意」



 ★



 数時間ほどかけて、聖龍王国に関する情報を集めたところ、


「……信じられんな……まさか、聖龍王国内で、革命が起こっていたとは……」


 すでに、エルメスは玉座から引きずり降ろされており、

 その革命を成した者が、現在の聖龍王国の王になっている。


 だが、その者の情報は、どこからも得られなかった。

 どうやら、聖龍王国内でも最上級秘匿情報らしい。


「おそらく、そいつが、魔カードの生成に深くかかわっているのだろう。ランク20の魔カードを作れるだけの力は間違いなく膨大。そのとてつもない力を振るって、王の地位についた……」


「バーチャ……という名の『側近』がいることだけは判明しましたが……この者についても、詳細は、よく分かりませんでしたね……『強大な力を持っているらしい』という程度の情報しかなく、魔人なのか、進化種なのかさえ不明……」


「このままでは、さすがに情報不足がすぎる。……あまり目立ちたくはないが……しかし、こうなると、『御前試合』に参加するしかないだろうな……」


 幸運なことに、現在、聖龍王国では、御前試合が行われている真っ最中であり、

 その大会には、幹部連中とバーチャも参戦しているらしい。


(聖龍王国の器をはかるには絶好の機会……ただ、見学は出来ないという話だから、参加するしかない……バレた時のことを考えて、撤退ルートは確保しておかないと……)



 ★



 御前試合の本選に出場できるのは、幹部の大半と、予選を勝ち上がった配下一人。

 つまり、御前試合の予選は、配下たちだけで行われる。

 モナルッポは、まだ誰の配下でもないが、

 一応、配下枠の予選に参加した。


 それなりの強者がそろっていたが、存在値ランク世界3位のモナルッポが相手では、さすがにどうしようもない。

 モナルッポは、怪しまれないよう、丁寧に、力を加減しながら、

 幹部以下の連中をボコボコにしていく。



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