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67話 覇権国家。


 67話 覇権国家。


「聖龍王国は、人的資源に限界がある。質は高いが量が少ない……いくら、ランク20の魔カードを量産できると言っても、それを使う兵隊の数が少ないから、世界全体と争えば、押し込まれてしまう可能性の方が高い。この世界には、ドーキガンとゾメガ……そして、この俺という強者がいるからな」


 聖龍王国は、上位勢の存在値は高い。

 だが、高位のモンスターの進化種や魔人ばかりなので、

 繁殖能力に問題がある。


 魔人の場合、潜在能力の高さに比例して、生まれてくる子供の数は減っていく。


 ――この辺の情報は、キッツに集めさせたものなので、間違いはないだろうとモナルッポは、確信している。

 彼の、キッツに対する信頼感は大きい。


 ――そこで、キッツが、


「だから、バラまこうとしている……ということでしょうか?」


「ああ、たぶんな。これだけの力があれば、派手に動くことも可能になる。俺が本物のバカだったら、この魔カードの力に溺れて、内乱を起こしたり、その流れのまま、他国に攻め入ったりする可能性は高い。そうやって、戦争を教唆きょうさして、人類同士を争わせて、『魔人の敵』の数を減らし、ある程度、状況が整ったところで、聖龍王国が、攻勢に打って出る……そして、世界を手に入れる。まあ、そんなところだろう。聖龍王国が実際のところ、どう考えているかは知らんが、もし、俺が、ランク20魔カードの量産体制を整えることが出来たら……その計画を実行に移す可能性が高い」


「聖龍王国が覇権国家になどなれるものでしょうか?」


「ランク20魔カードの現時点での保有枚数と、今後、同じクオリティの魔カードを、どの程度のペースで生産していけるか次第だな」


 世界大戦に勝てるかどうかは保有枚数次第、

 世界大戦に勝利して以降の秩序維持は生産ペース次第。


 戦争で最も大事なことは、勝つことではなく、勝ち続けること。

 1度や2度、大勝を得たところで、その後、大きな敗北を喫すれば、その時点で全てを失う。


「戦争においては、永続的な勝利以外に価値はない……ランク20の魔カードを量産できる体制は、『永続的な勝利』の基盤になりうる……できれば、もっと多くの情報を引き出したかったが……」


 普通に、はぐらかされてしまった。

 『バカなモナルッポになら、漏らしてもかまわない』――そう思わせられれば勝ちだったのだが、さすがに、そこまでナメてはくれなかった。


「今後、どの程度のペースで魔カードを売りにくるか……そこから、聖龍王国のリミットをはかりたいところ……あとは、どうにかして、製造方法を暴きたいな。間違いなく何か特別な手法を用いているはず。ヒントだけでもつかめたらいいんだが……キッツ、聖龍王国に忍び込んで、盗み見してくることは可能か?」


「私の力では、聖龍王エルメスの目をごまかすことは難しいです」


「ん……まあ……そうだな……お前の存在値だと、龍の感知能力をごまかすのは、さすがに厳しいか……」





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