表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

199/1228

65話 機動魔法ランク20。


 65話 機動魔法ランク20。


(こいつ……ランク20の魔カードを、ポンポンと簡単に使うじゃねぇか……まさか、本当に、量産体制が整っている? とんでもない話だ……こうなってくると、問題なのは、どのぐらいのペースで生産できるのか……もし、仮に、一週間に1枚ほどのペースで量産できるとすると……いや、さすがにそれはないか……)


 自分の中の常識と照らし合わせつつ、

 モナルッポは、未来を演算する。


(どのぐらいだったら、対処可能だ? 一か月に1枚ならば……うん……まだ、対処は可能。ただ、『半月に1枚以上のペース』で量産できるとなると……準備期間次第では、かなり厄介……聖龍王国は、非常に理性的な国家だが、これだけの力を持っているとなると、どういう動きに出るか分からない……命は強欲だから……)


 などと、数秒の中で、爆速の思考を回転させていると、


 そこで、ショデヒが、


「殿下。先ほどお渡しした魔カードを使ってみてください。そちらの魔カードの方が『封じられている魔法』のクオリティが上ですので、この強大な力を持った炎霊をも、たやすく屠ることができます。ちなみに、この炎霊は、レバーデイン殿下と、ほぼ同等の力を持っておりますよ」


「……兄貴と同じ? ……そ、そんな化け物に……俺が? 魔カード一枚で?」


「それだけの力が、その魔カードにはこめられております。さあ、どうぞ」


「い、いや、でも、俺、金が、そんなに……」


「お試しの初回サービスとして、そちらは無料でプレゼントさせていただきます。さあ、ぜひ、ランク20の魔カードの力をお試しください」


「……」


 悩むふりをしつつ、心の中で、


(ついには『無料でおためし』ときたか。そこまでして俺に、この力を使わせたい理由……まあ、ある程度は予測がつくが……)


 そうつぶやいてから、



「機動人形ランク20。――黒曜、出撃準備開始」



 丁寧に詠唱しながら、魔カードをやぶり捨てた。

 すると、モナルッポを中心として、地面に巨大なジオメトリが展開される。

 そして、表示される。


 『――マシンゴーレム、出撃準備完了』


 起動開始の合図が表示されると同時に、地面に描かれたジオメトリから、無数の『魔法鋼パーツ』が、噴火したマグマのようにドワっと湧き上がってきて、ガチャガチャガチャッと、召喚者の体を閉じ込めるように組みたてられていく。


 ほとんど一瞬のうちに、モナルッポの体を、全長五メートルほどの機械人形の中に閉じ込めてしまった。


 さほど洗練されたフォルムではない。

 ショボいオモチャと表現するのがベストの、まったくスマートさを感じないスタイル。不器用な子供がレゴ○ロックをテキトーにつなぎ合わせただけのような、ガラクタ感を醸し出している不細工な鉄人形。


 しかし、そのブザイクな鉄人形に包まれたことで、モナルッポは激しい高揚感に包まれた。



(す、すさまじいスペックの機動魔法……これを自力で会得しようと思えば、天才である俺が数十年を積む必要がある……それを、誰でも使える魔カードに落とし込むとは……神をも畏れぬ大胆な諸行……)



 破壊と殺戮の象徴、マシンゴーレム。

 機体名は黒曜。

 火力重視のハイスペックマシン。




 ――マシンゴーレムのランク。

 D級、玉響たまゆら「スピードだけはそこそこの低級機体」。

 C級、星屑ほしくず「オールラウンダーの中級機体」。

 B級、龍鬼りゅうき「耐久と火力がなかなかの上級機体」。

 A級、黒曜こくよう「火力重視のハイスペックマシン」。

 S級、煉獄れんごく「魔法性能に優れた魔力型ハイスペックマシン」。

 SS級、神威かむい「全性能が破格の超ハイスペックマシン」。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ