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62話 徹底的にアホを通すモナルッポ。


 62話 徹底的にアホを通すモナルッポ。


(っっ?! なっ……ら、ランク20の魔カード……だと……バカな……)


 モナルッポは、つい、反射的に目をひん剥いてしまったが、すぐに、


「こちらですって言われても、俺、魔カードには詳しくねぇからなぁ……なあ、キッツ、この魔カードって、何か特別なのか?」


 そう言いながら、モナルッポは、キッツに視線を向けた。

 その視線に、無数のメッセージを込めて。


 モナルッポほどではないが、しかし間違いなく最高クラスに優秀なキッツは、モナルッポの意図を正確に読み取る。

 彼女も、ランク20の魔カードに驚愕しているが、

 主人のために、その感情を抑え込んで、

 モナルッポに対して、必死に訓練してきた『さげすむ目』を向けながら、


「……モナ様、何を言っているのですか。ランク20の魔カードなど見たことがありません。この魔カードは、とんでもない逸品です」


「とんでもない逸品? そうなのか?」


「現在、販売されている魔カードのランクは最高での10。特殊な強化をほどこしたとしても15が限度です。これまでの人類の限界を、5段階も超越した逸品。それが、その魔カードです」


「……へぇ……そうなんだ。これ、すげぇんだ。……ちょっと、よくわかんねぇけど」


「……はぁ」


 と、キッツは、大きなため息をついて頭を抱えた。


 『彼女の侮蔑にすら気づかない愚者』を通しながら、

 モナルッポは、心の中で、


(ランク20の魔カード……レプリカか? いや、本物だ……間違いない……)


 セブンスアイで魔力量を鑑定すれば、本物かどうかは一瞬で分かる。

 もし、モナルッポの目をだましているのだとすれば、それはそれでとんでもない話。


(……し、信じられない……ショデヒがつくったのか? いや、無理だろう。存在値400程度の雑魚にできる諸行ではない。エルメスがやったのか? ……特別な龍には、特別な力が備わっているということだろうか? ……この俺でも、ランク17以上の魔カードは創れないというのに……)


 モナルッポには、魔カード生成系の才能が備わっており、かつ、昔から、ひそかに、『良質な魔カードの生産』が出来ないものかと悩み続けていた。

 研究に研究を重ねることで、どうにか、人類の限界である15の壁を超えて、『17』という最高記録をたたき出したことはあるのだが、それが限界だった。


(……しかも、この魔カード……まだ強化されていない……素の状態でランク20……し、信じられん……)


 これまで密かに集めてきた『手持ちの魔カード強化素材』をぶちこんで育てれば、最大で、23~25級の魔カードにすることも可能。


「ショデヒ、これが凄いらしいってことは、なんとなくわかった。で? これはいくらだ? 知っての通り、俺に使える歳費は少ないから、あまり高いと買う気をなくすぞ。そういう部分も計算して値段を言えよ」


 バカの仮面をかぶって、そう言いながら、心の中で、


(……1億でも安いな……『ランク20の魔カードの価値』は計り知れない……)


 などと思っていると、

 ショデヒは、


「900万テスほどでお売りしたいと考えております」


「……っっ?!」



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