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55話 魔カード産業。


 55話 魔カード産業。


「素晴らしい。聖主様。これほどまで凄まじい性能の神器を、こんなにも大量に保有しておられるとは……あなた様は、まさに無上の神」


 信念に従い、長いモノにまかれるショデヒ。

 彼にとっては、手のひらをクルクルさせるのも、人生スキルの一つに過ぎない。

 そう、いつだって彼は、強い者の味方なのだ。


 そこで、それまで黙っていたガイリューが、


「ははははぁ! 凄まじい! こりゃ、すさまじいぜ! これだけの力があれば、全人類を殲滅することも不可能ではない! 聖主様ぁ! さっそく、世界に宣戦布告を出しましょうぜ! 先陣は、このガイリューにお任せを!」


 と、血の気のあらいことを叫ぶ彼に、

 Tは、


「いきなり、世界との最終決戦なんかするわけないやろ。アホか」


 と、ばっさり切り捨ててから、


「最終的には、南北全土を相手に大乱闘をかます予定やけど、その前に、やるべきことが山ほどある」


 そこで、ザラキエリが、


「やるべきコトとは、なんでしょうか?」


「生活基盤への浸潤」


「?」


「問題です。日常的に使われとるマジックアイテムの代表と言えば、なんでしょう」


 その問いに、ショデヒが、


「魔カードでしょうか?」


「はい、正解。さすが、賢い」


「……お褒めにあずかり光栄です」


「一般人でも魔法が使えるようになる魔カードは、生活を営む上でなくてはならんもの」


 魔法が中心の世界において、『魔カード産業』は、常に頂点にあるもの。

 現代におけるIT企業のように、全ての者にとって必要不可欠で、だから、当然のように、世界を牛耳っている産業。


 エルメスやショデヒなど、自力で、高位の魔法を使える者でも、

 いわゆる『生活系』に属する魔カードは普通に利用している。


 『アイテムボックスの魔法』や『水を生成する魔法』や『麦やイモなどの食物を生成する魔法』などなど。


「企業という視点でも、魔カードは必需品。というか、企業にとってこそ、絶対になくてはならんもの」


 エネルギー産業の中心は魔カードと言ってもいい。


 ほかにも、インフラ関係は基本的に魔カードが中心。

 下水関係、通信関係、交通関係、建築関係、ゴミ処理関係、医療関係、

 そして、戦争関係。


 すべての産業で、魔カードは骨格の役割を担っている。


「その魔カード産業を荒らしていく」


 そう言いながら、Tは、アイテムボックスから、

 50枚ほどのカードが束になったデッキを取りだして、

 それを、ショデヒに投げ渡す。


 受け取ったショデヒは、デッキを確認すると、


「っっ?! なっ……ランク20の魔カード?! こ、これ……全部……っ?!」


 この世界で使われている魔カードは、

 店売りされているものだと『ランク10』で最高峰。

 そのランクまでくると、高級すぎて、庶民では手が届かない。

 高級外車ぐらいの感じと言えば伝わるだろうか。


 ゴールデン・ドラゴンハイドなどの特別なアイテムを使用したり、時間をかけて丹念に丁寧に魔力を込め続けたり、そういう手間暇をかけることで、『ランク15』ぐらいまで育てることは可能。

 だが、そこまでが魔カードの限界。



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