表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

186/1228

52話 性格の悪い大学教授ばりに、かなり絶望的な課題。


 52話 性格の悪い大学教授ばりに、かなり絶望的な課題。


「この世界の支配者であるワシは、今後、この城を拠点とすることに決めた。で、お前らは全員、ワシの配下ね。これから、人間相手に、世界征服のための戦争をしかけていくから、ワシの命令に絶対服従の兵隊として、がんばれ、ファイト」


「……」


 情報量が多すぎて、理解力が追い付かない。

 頭がパンクしかけていると、

 そこで、ザラキエリが、


「……あ、あの……」


「ん、なに?」


「あなたの強さは、よくわかりました……私では手も足も出ないバーチャを、まるで赤子のようにあつかってみせた……あなたが、とほうもない力を持つことは、重々理解できました……」


「うん。それで?」


「誰も、あなたの道を邪魔することはできないでしょう。あなたは強すぎる」


「誰もってことはないけど、まあ、なかなか難しいやろうね。――それで?」


「あなたが世界征服をする、というのであれば、それを止めることは誰にもできない。間違いなく、それは、成されるでしょう」


「だろうね。で?」


「どういう……征服を求めるのか、教えていただいてもよろしいですか? それが、もし、私の望むものであったのならば、全身全霊でお手伝いさせていただきます。いったい、あなたは、どういう――」


「全ての生命を導く」


「――っ? それは……どういう……」


「ワシが目指すんは、生命の『完璧な倫理的完成』や」


「……」


「めちゃめちゃ簡単な話をすると、ワシは『ワシを超える命』を求める。この世界に、ワシという創造主以上の存在が誕生することを切に望む。それが成された時、世界と命は――次のステージに進むことができる。と、ワシは考えとる」


「……」


 理解しようと必死で、言葉が出てこないザラキエリ。

 Tの思想は壮大すぎて、言葉の真意がイマイチ掴み切れない。


「というわけで、これからワシは、世界に対して『課題』を与えていく。性格の悪い大学教授ばりに、かなり絶望的な課題を出していくつもりやから、ついてこられんやつもおるやろうけど、それでも、ワシは、己の信念に従い、この世界に課題をつき続けていく。すべての課題をクリアできた時、人類は、本物の未来を手に入れる……と、ワシは思っとるんやけど、実際のところどうなるかは、やってみんと分からんな」




 ★




 玉座に腰かけているTは、

 右腕をスっと薙いで、目の前に、エアウインドウを出現させる。


 そこに映っているのは、南大陸でアレコレしているセンエース。


 彼は、今、ミシャ・リグ・ラーバの三人を連れて、

 ゾメガが支配しているオルゴレアム帝国へと向かっていた。


(これから、ワシは、この世界の全部を飲み込む巨大な闇となる……セン……ワシを殺せるか?)


 などと、心の中でつぶやいていると、

 そこで、エルメスが、



「聖主よ……聖龍王国に属するすべての華族が、御身の前に、そろいました」



 北方の森は広い。

 全部で5か所の駐屯地と言う名の町が存在し、

 5つの町を、上位の魔人が支配している。



「みんな、わざわざ集まってくれてありがとう。さっそくやけど、新しい聖龍王国の組織体制について説明していくで。エルメス、あとはよろしく」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ