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46話 500億。


 46話 500億。


「存在値300やと、こんな感じか……んー、300と400の違いは、ほとんどわからんなぁ……かんぺきに誤差やなぁ……ワシ、頭の方は、そこそこ自信あるけど、ソムリエ的な素養は、そこまで高ぁないねんなぁ……」


 力いっぱい振り下ろされた『血に濡れた斧』は、

 『彼』の右手に、ソっとつままれていた。


 その光景を見て、ショデヒは、みけんにしわを寄せた。


(バナブッドの一撃を……つまんだ……か。……その諸行が、もし……超希少な『使い捨て型の特別な神器』を使った……というのでなければ……)


 ほんのりと冷や汗がにじんだ。

 昨日までのショデヒであれば、かなり焦っているところだが、

 今のショデヒには『超神』がついている。


「バーチャ様……あの人間……少々、異質かと存じます」


「そのようだな。たかが存在値300程度の攻撃とはいえ……ソっとつまんでみせるとは、なかなかの異常事態。貴様らは下がっていろ。私が、その人間を鑑定してやる」


 そう言いながら、バーチャは、『彼』の元に向かって、優雅に歩を進める。

 自分の方が絶対的強者だと信じて疑っていない歩調。


「この世で最も尊い存在である、神を超えた神、『超神バーチャ・ルカーノ・ロッキィ』の前で名を名乗ることをゆるそう」


 尊大な態度で、そう言い捨てるバーチャに、

 『彼』は、


「T・104」


 サラっと答える。


「ふむ。それで、ティー・ヒャクヨンよ。貴様は何者だ?」


「世界征服を成す者」


「ははは、なかなか壮大な夢を持っているじゃないか。まあ、その夢が叶うことは決してないがな。私が復活する前であれば、まだ可能性は残っていたが、しかし、今、この世界には私が存在している。この世界は、すでに、私によって支配されているも同然。この状況下で、世界を手中に収めるということは、すなわち、私を倒すということ。それは絶対に不可能」


「絶対に不可能なんや、へー」


 そんな、T・104の態度を受けて、

 バーチャは、鼻で笑い、


「くく、伝わってくるぞ。勘違いの波動。そこそこの強さを持っている者が抱く幻想。自分こそ最強と信じている者の愚かさが伝わってくる。貴様は、真の強さを知らない。井の中の蛙。自分だけの狭い世界が全てだと誤解している愚者」


 などと、好き放題言ってくるバーチャに、

 Tは、


「ははは。存在値『500億』程度でイキっとるヤツに、井の中の蛙扱いされてもうた。こいつは、なかなか、傑作な状況と言えるな」


 その発言を耳にして、バーチャの動きがピタっととまった。

 そして、顔つきがけわしくなる。


「……どうやら貴様の『目』だけは……警戒に値するようだな……なかなか優れたプロパティアイを使える様子……しかし、目だけよくても世界は何も変わらない」


 そう言いながら、

 バーチャは、全身にオーラと魔力を供給していく。


「存在値500億……そう、それが私だ。震えるだろう? この世界で強者と言われている者どもの『1億倍強い』のが私だ」


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