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20話 いつだって、撃っていいのは、撃たれる覚悟のあるやつだけ。


 20話 いつだって、撃っていいのは、撃たれる覚悟のあるやつだけ。


「今の俺だと、この辺が限界……練習したいな……5000年ぐらい……そのぐらい練習できれば、この厄介なオーラも、完璧に扱えるようになると思うんだよなぁ……」


 ちなみに、センがごちゃごちゃつぶやいている間に、

 リグは、センに切りかかっていた。


 かなり気合いの入った一撃で、

 非常に力強い振り下ろしだったが、

 センは、やれやれ顔で、


「お前のことを雑魚と吐き捨てる気はないが、今の俺を殺せるレベルに達しているかといえば、完璧に否。お前の戦闘力だと、最低でも、存在値10000ぐらいはないと、俺には勝てねぇよ。いや……んー……存在値10000でも、お前じゃ、俺には勝てねぇかなぁ。存在値1兆ぐらいなら、あるいは……あー、無理かなぁ。俺、存在値1兆くらいの壁は、数日で、サラっと超えちゃうからなぁ。実績が物語っているからなぁ」


 などと、ゴチャゴチャ、だるい自慢をしつつ、

 サラリと回避し、そのまま、オーラを込めた拳で、

 リグの腹部に爆速のフックを叩き込む。


「ぐべはぁっ! おろろぉおおおおっ!」


 どでかい衝撃に、ついゲロがこみあげてきてしまうリグ。

 そんなリグに、センは続けて、


「いつだって、撃っていいのは、撃たれる覚悟のあるやつだけだ。お前に、その覚悟はあったか?」


 そう言いながら、

 リグの顔面に、重たい拳を叩き込む。


「げはぁつ!! くっ! くそったれぇ!」


 重たい一撃をくらっていながら、

 しかし、リグは怯むことなく、センに立ち向かった。

 ラーバのサポートもフルで受けて、

 必死になってセンに立ち向かうが、

 しかし、センの強さが異常すぎて……


(な、なんだ、こいつ……『ゴブリンの魔人』ごときが……な、なんだ、この異常な強さ……10つ星の冒険者と比べても、遜色そんしょくねぇじゃねぇか……)


「まずいよ、リグ。この魔人、強すぎる! 僕たちじゃ、相手にならない! 徹底しよう!」


 そう叫んだラーバに、センは、


「まさか、お前らごときが、俺から逃げられるとでも? ありえねぇよ。絶対に逃がさない。俺は、お前らから、理不尽な暴行を受けたんだ。その損害賠償は、必ず支払ってもらう」


 そう宣言すると、

 リグが、


「モンスターごときが、人間様に対して、上からモノ言ってんじゃねぇ!」


 そう叫びながら切りかかってきた。

 センは、その剣をサクっと弾いてから、

 リグの胸倉を掴み上げ、


「君がッ! 泣くまで! 殴るのをやめないッ!」


 などと叫びつつ、リグの顔面を、

 これでもかと、ガンガンに殴りつけていく。


「うぐっ! ぼげぇ! ごげぇっ! がへぇ! ぐへぇ!」


 ――センは、聖人ではない。

 そして、結局のところは、父親でもないのだ。


 リグもラーバも『センが創った人間』だが、

 しかし、彼らは、センを殺そうとした。

 だから、センは、容赦をする気がいっさいない。


 『自分たちの造物主だとは知らなかった』という言い訳は通じない。

 『知らなかったら何でも許されるか』というと、もちろん否。

 法律の基本方針と同じ。

 ――知らん方が悪い。


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