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2話 18兆年の修行期間。


 2話 18兆年の修行期間。


(ゾメガとドーキガンの二人が神化すれば……可能性はあるか? どっちも、俺なんかよりも、はるかに優れた才能を持っているのは、確定的に明らか……)


 自分の才能のなさを明確に理解しているセンは、『50年以内』という制限の中で『自分がバグを殺せる可能性は、とてつもなく低い』と考え、『ゾメガとどドーキガンにたくすべきではないか』という結論に至った。


(どうにか、俺が師となり、二人を導いて、神化させて、バグを狩らせる……それが最も成功率の高い賭け……だとは思うんだが、レベル1のゴブリンが、どうやって、世界一の勇者と魔王を導くんだよ……)


 レベル1のゴブリンから、

 『俺が師になってあげるから、神になってよ』

 などと言われた二人の反応を想像するのは簡単だった、


 鼻で笑われて終わりだろう。


(俺がこの世界の創造主であることを正直に話す……という手段をとったところでも、鼻で笑われて終わりだろうな……俺の言うことを信じる理由がなさすぎる……だって、俺、レベル1のゴブリンだもん。俺が、この世界を創った神だと言って、信じるバカはいないだろう)


 自分の置かれた状況の悪さに辟易するセン。


(やばいて、やばいて……詰んでる、詰んでる……え、どうすんの? マジでさぁ……くそぉ……ナイトメアソウルゲートさえあれば、余裕なのにぃ……10億年×『50×365』もあれば、余裕で勝てるのに……いや……勝てないな……途中で、俺が灰になっているから……)


 100億年を積んできた経験を踏まえて考えると、

 正直、1000億年いけるかどうかも怪しいところ。


(……仮に、『50年間、毎日10億年を使った』としたら、何年だ? えっと、5と3……15……5と6……3……だから、えっと……18で、000だから……18000の……10億倍で……1000で1兆だから……『18兆年』……ぐらいか? もう、ここまでくると、さすがに、ピンとこねぇな……)


 1000億年ぐらいなら、まだギリギリ、『死ぬだろうなぁ』という推測ができるのだが、『18兆年の修行』と言われたら、さすがに、もう、想像することすら出来ない。

 


(……ま、こんなことを、いくら考えても無駄だけど。なぜなら、ここでは、ナイトメアソウルゲートを使えないから……ははっ、ははははぁ!)


 などと、頭の中で、軽く現実逃避をかましていると、

 そこで、



「ギ……ガ……」



 小さな虫が出現した。

 薄羽が生えているサソリっぽい見た目。

 サイズは、ハンドボールぐらい。


(……あれは……バグ……か? それとも、ただの虫系モンスター? わかんねぇなぁ……)


 虫系のモンスターの中には、バグっぽい見た目をしているものもいる。

 そして、虫系モンスターは、森に生息していることが多い。

 そのため、判断には困ったが、


(普通に、殺気を向けられているし……これは……やるしかないパターンか……?)


 小虫と、不安定な距離をとりつつ、

 センは、右手に魔力を込める。


(この体、やべぇ……『3歳の俺』も、相当やばかったが、それ以上にエグい)



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