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最終回 ファミレスで騒いでいるガキの喉を切り裂き、二度と無駄口叩けぬようにする命の王。


 最終回 ファミレスで騒いでいるガキの喉を切り裂き、二度と無駄口叩けぬようにする命の王。


「止めたいなら、俺を殺しなよ、セン君。純粋な話さ」


 そう言って、さらに強く拳を握りしめる蝉原。さらに大きくなる民衆の悲鳴。

 センは一瞬で沸騰し、距離を殺すと同時、蝉原の顔面に拳を叩き込み、蝉原の右手首を掴むと、強く握りしめて、蝉原が右手の拳を握りしめることができないようにする。


 ギニギニブチブチィィ、と、肉が裂ける音が二人の耳に届く。

 黙ったまま、しばらく睨み合ってから、

 蝉原が、


「自分以外の誰が苦しもうと、知ったこっちゃない、そう言ってなかったっけ?」


「世界中の人間の悲鳴だぞ。やかましく仕方ねぇんだよ。ガチンコで耳が腐る。こちとら、ファミレスでガキが一人喚いているだけでも、心底イライラして、そのガキの喉を切り裂き、二度と無駄口たたけぬようにしてやりたくなるんだ。そんな俺の前で、世界中の人間のやかましい大合唱を聞かせてくるとか、ほんと、お前は嫌がらせの天才だよな」


「く、くくくくくっ!」


「なにわろてんねん。1ナノもボケてねぇぞ、くそが」


「君は本当に、ぶれないねぇ、セン君」


 蝉原は心底楽しそうにそう言ってから、


「俺の本音を言うよ、セン君。俺は、人類なんか、どうだっていい。あんなゴミどもが死のうが生きようが知ったことか。苦しんでいる姿を見れば、多少は面白いけど、そんな愉悦は、『体を張って笑いを取っているユーチューバーを眺めている』ぐらいのものさ。……そんな些事よりもはるかに大事な信念のためだけに、俺は舞うよ、セン君」


 そう言いながら、蝉原は指をパチンと鳴らし、


「ここからはシンプルに行こう。ホロウワールドは解除する。さっき言ったように、人類とか、本当はどうでもいいから。それに、第二~第九アルファにいる何人かを悪人にしたところで、膨張率は、たかが知れているしね。……と言うわけで、もう、『俺を殺すこと』にデメリットはない。殺し合って、殴り合って、最初に死んだ方の負けという、純粋な勝負チキンレースをしよう。さあ、俺を殺してみなよ、セン君。そうすりゃあ、すべて解決だ。全人類が救われる。俺が勝ったら、全人類が死ぬ。俺がこの手で徹底的に、なぶり殺す。人類なんかどうでもいいけど、その方が、君のやる気がでるだろう? ……君だよ、セン君。俺の動機は全部、君。それ以外はどうでもいい」


 センにそう言った直後、

 蝉原は、民衆に意識を向けて、


「世界一美しいひねくれたヒーローの勝利を期待するがいい。希望を胸に抱くがいい。その全部を打ち砕き、世界最高の絶望をくれてやる。げられてから下げられるのが一番しんどいんだ。この世に救いは存在しない。ヒーローは存在するが、ラスボスには勝てない。この世に存在するすべての生命に、とびっきりのバッドエンドをプレゼントしてあげるよ」


 そこで蝉原は、全身に力を込めた。

 膨らんでいく。

 ありとあらゆる力を手に入れた蝉原が、さらに膨れ上がる。


「俺という『狂気の絶望』に世界が震えている。伝わってくるよ、深き恐怖。その全てを喰らい、俺はもう一つ上に飛ぶ」


 そう宣言した直後、蝉原は、

 ガっと目を見開き、


「太陰神化ぁぁああああ!!」


 さらなる固有神化に目覚める。


「まだまだぁ! 月詠神化ぁああ!!!」


 もともとのセクスタプル(六重)神化に、追加で『二つの固有神化』を積んでいくという、無茶苦茶な暴挙を重ねていく。

 脅威のオクタプル(八重)神化を果たす蝉原。


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