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92話 オニゴ〇リ蝉原。


 92話 オニゴ〇リ蝉原。


「いやぁ、ほんと、しんどいぜ。3兆年程度で真醒8になりやがって」


 そう文句を口にしてから、武を構えて、

 

「ほんと、大きくなったなぁ。蝉原さんよぉ。……そこまで膨らんでくれたのなら、流石に俺も全力を出さざるを得ないな」


 全神経を集中させていく。

 200兆年積んだオーラと魔力が沸騰していく。


「いくぞ、蝉原。殺してやる」


 殺意を全面に押し出してから、

 センは、蝉原との距離を詰めた。


 異常出力を持つ者同士の、壮絶な殺し合いが幕を開けた。


 互いに、

 激しく、

 お互いの武をぶつけ合う。


 戦闘力ではセンの方が有利。

 しかし、存在値で言えば、蝉原が圧勝。


 蝉原は、数値のアドバンテージを最大限に活かす弾幕で、センを削ろうと必死。


 そんな蝉原の物量作戦に対し、

 センは、真っ直ぐな力技で押し込んでいく。

 蝉原が繰り出してくる召喚獣にも魔法にもグリムアーツにも、

 センは、純粋な力技だけできりかえしていく。


 作戦も戦術もへったくれもない。

 野球で言えば、『きた球を打つ、サインは全部ホームラン、以上』みたいな、知能指数ゼロの脳筋ぶり。

 データ解析も配球読みも必要ない、と言わんばかりの豪快な、力こそパワー。


 それは、恐ろしく品性のない愚策で、

 しかし、同時に、

 『対策のしようがない最善の一手』でもあった。


 最初の方は、蝉原が、数字の暴力で押していたが、しかし、その数字に、センが慣れてくるに従い、蝉原は、じっくりと押され始めてきた。


「閃拳」


 恐ろしく鋭い閃拳が、

 蝉原の腹部に突き刺さる。


 それは『蝉原渾身の右ストレートを回避してのカウンター』だった。


「……ごふっ!」


 と、激しめに吐血する蝉原。

 ここまで、まあまあ殴られていて、結構ボロボロの姿。

 対してセンは、小綺麗なものだった。

 もちろん、何度か攻撃を受けたが、どれも、鮮やかに流して、大ダメージにはならないように処理してみせていた。


 この段階で、センは、蝉原の武を完全に捉えてしまっていた。

 蝉原の『全ての動き』が、手に取るようにわかった。

 これが、200兆年の答え。

 破格に積み重ねてきた者の異次元な視界。


(蝉原は天才だが、戦略の点ではトウシの方が遥かに上。展開力ではミシャの方が上で、万能性ではシューリの方が上で、技のキレで言えばアダムの方が上。単純な接近戦の戦闘センスだけをとってみれば、『平』の方が上だし、攻撃魔法の扱い方では『ゾメガ』の方が上)


 『戦闘における突破力』や『害悪性』と言う点では、蝉原が最高格なのは間違いない。

 ちなみに、『全体的に性能が高い総合力SSの蝉原』は、万能女神のシューリと 『字面の上では方向性が被っているように見える』が、実のところ方向性はけっこう違う。

 まあ、似ているところもあるにはあるが。


 あえて無理に例えるなら、シューリがミ◯ウで、蝉原はオニゴ◯リ。

 蝉原のウザさがハンパないのは事実だが、対策が完璧なら、そこまで怖くない。


 センは蝉原の特攻を、軽やかにさばくと、


「逆気閃拳」


 芯を震わせる拳で、蝉原の中心に削りを入れていく。


 蝉原は、


「……っっ……ぅぷ……………………は、はは……真醒の8を使ったセクスタプルですら……相手にならないか」


「相手にならないわけじゃないが……だいぶぬるいのは事実だから、もうちょい『深みのある極悪さ』を、かましてほしいってのが本音かな」


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