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56話 俺の強さは、確実に、セン君を超えている! ドヤァ!


 56話 俺の強さは、確実に、セン君を超えている! ドヤァ!


 当初のソルが想定していた『敵』は、

 『1兆6000億年を積んだセンエース』であり、

 そのぐらいのセンエースが相手だったら、

 今の蝉原は、十分に対抗馬として成立していた。

 (※ 予定では楽勝のはずだった)


 だが、センエースは、ソルの想定を、

 『エゲつないほどの勢い』で超えてしまった。


 まさか、500億ループを超えた直後に、追加の5周を提案するとは思っていなかった。

 その段階までなら、まだ、どうにかなった。

 いくらでも対抗策はあった。

 だが、まさか、その全部を賭して、200兆年に挑戦するとは思っていなかった。


 これは、完全に、バランスブレイカー。

 それは、流石にダメ。

 そんなことされたら、蝉原が対抗できるわけない。



「見えた!」



 蝉原は、元気に頑張っている。

 頑張って、頑張って、頑張って、


「そろそろ約束の2兆年……ギリギリだった……かなりぎりぎりだったけれど、なんとか、捕まえたよ……ソル」


 常人の視点では理解できないほどの時間を積んで、

 正しい成長を経た蝉原は、

 ついには、『10分の1のシッポ』を捕まえた。


 これは偉業。

 間違いなく、世界最高峰の偉業。

 『世界1センエース』が『殿堂入りのキチ〇イ』なので、

 どうあがいても、『2位以下』になることは確定しているのだが、

 しかし、蝉原の偉業は、本当に、すごいコトである。

 蝉原は、間違いなく世界2位の大偉業を成し遂げた。


 その大偉業が、ハナクソに思えるほどの狂気を積んだキチ〇イがド級の変態なだけ。

 蝉原は悪くない。

 蝉原は頑張った。

 悪いのは、200兆年を積もうとしているキショいやつ、ただ一人。


 10分の1のシッポを捕まえた蝉原は、

 そこで、さらにもう一段階、上のコツをつかんだようで、

 また、爆裂な成長を見せた。

 グンっと、深みのある成長を遂げて、

 わずかな時間で、一気に強くなった。


 強くなった……けれど……


(才能あるんだがなぁ……間違いなく……もう、文句なしの天才で、根性も、普通に、なかなか大したものなんだが……)


 ソルは、蝉原を認めた。

 蝉原は天才で、努力家で、可能性を秘めた男。

 ――けれど、


(蝉原ごときでは……センエースには……勝てるわけがない……)


 ソルが絶望している間に、

 時間は刻々と流れ、

 ついに、

 蝉原は、



「2兆年……達成……ふ、ふふ………自分でも信じられないよ……まさか、これほどの偉業を成し遂げることができるとは……セン君でも、さすがに、自力じゃ、この数字は無理だろう? ふ、ふふ」



 2兆年。

 やりとげた。

 素晴らしい成果。

 間違いなく。


「流石に、8のインフィニットには届かなかったけれど……クアドラプル(四重)神化は、かなりの精度でマスターできた。俺の強さは、確実に、セン君を超えている……」



 と、ご満悦の蝉原を尻目に、ソルは、


「……」


 なんとも言えない無表情でかたまっていた。

 蝉原は続けて、


「セン君が『200億年1万年』を積んだ、と初めて聞いた時は、そのあまりの数字に心底から驚嘆したもの。覚えているよ……『2兆年もの時間が経過した今』でも、ハッキリと……セン君のことを『世界で一番の、とんでもないバケモノだ』と思った。『絶対に超えられない怪物だ』とも。……でも、俺は超えた……セン君の100倍の努力を積んだんだ……」


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