45話 教えてやるよ、俺のキモさを!
5年連続毎日2話投稿記念、
コミカライズ版センエース、
「まんが王国」「コミックシーモア」「eBook japan」で配信されている記念、
1日10話投稿!
8話目!
45話 教えてやるよ、俺のキモさを!
センエースは、
「ぎががががっ、ぎぃいいい、折れねぇ、折れねぇ、折れねぇ この階段から降りるぐらいだったら、この場で完全に死んでやる!!」
面構えの違いを世界に魅せつけていく。
格の違いに世界が瞠目する。
「がぁあああああああああああああああああっ!!」
――ぶっ壊れる寸前で、壊れて当然の状態で、しかし、それでも持ち直す。
100兆年という地獄を乗り越えて、
心が砕けかけて、
しかし、それでも、まだ、
勇気を叫び続けることができるという、
そのイカれた精神性を、
――世界は、心底から、崇め奉る。
「俺を折りたかったら、もっと、コクとキレのある『奥深い絶望』を連れてこい! この程度じゃ、ぬるいし、かゆいんだよぉおおおおお!」
全然ぬるくないし、痒さなど感じる余裕はない。
だが、それでも、センエースは底意地を張り続ける。
『世界痩せ我慢選手権』堂々連覇で、絶対的殿堂入りの神業的な虚勢。
他の誰も真似できない、狂気の空威張り。
「もっとよこせよ、どうせならぁああああ! 教えてやるよ、俺のキモさを! 目ぇガン開いて、刮目しやがれ! 俺はここにいる! 俺がいる限り、テメェら程度の絶望は、いつだって、泡吹いて倒れるしかねぇ!」
本音(悲鳴)を殺して、決意を叫ぶ。
それを、本質的な意味での勇気と呼ぶ。
叫び続けた勇気に、世界が喝采を浴びせる。
センは、『喝采も賛美もいらないからやめろ』と言うけれど、言われて止まるような安い感情じゃないと、世界は、惜しみない喝采でセンエースを包み込む。
淡いのに、とても力強い、ちょっとだけ矛盾した光で、センエースの全部を眩しく照らす。
全身全霊のスポットライト。
この世界の全部が、
たった1人を愛することだけに熱中する。
センエースは、たどり着いた。
バカでかいハードルを、また一つ超えて、新たな器を形成した。
センエースの膨大な可能性に、また一つの『聖痕』が刻まれる。
つまりは、
「プラチナァアアアアア!! スペシャルゥウウウ!!」
叫べば手に入るんじゃない。
手に入ったから叫んだだけの話。
……目覚めたのは、
『不屈の魂魄』の『裏スペシャル』。
――『天上無休』。
そのスペシャルは、一言で言えば、『程度がはなはだしいワーカーホリックになる』という、もはや、最高位のレッドスペシャルと言っても過言ではないもの。
同等ランクの最高位プラチナレッドスペシャル『人間失格』を併せ持つセンさんは、
いわゆる一つの『とにかく性格が悪いワーカーホリック』という、
残念を通り越して悲惨な激ヤバキチ〇イマエストロへとキャリアアップ。
会社側の視点では、なかなかエグい爆弾とも言える。
――ちなみに、
『天上無休』には、『無休で働かされているため、上層部と有利に交渉できる権利を得る』という裏効果があり、人間失格の裏効果『世界にワガママを言えるようになる』との良質なコンボが発動するというメリットがある。
『自分勝手に、休まず働いておきながら、無休労働をネタに、上をゆすっていく』という、マッチポンプラバーな性悪ぶりを発揮できるようになる。
この極悪さの前では、さしものコスモゾーンも、頭を抱えるほかない。




