35話 えぐい停滞。
5年連続毎日2話投稿前夜祭記念、
コミカライズ版センエース、
「まんが王国」「コミックシーモア」「eBook japan」で配信されている記念、
1日10話投稿!
8話目!
35話 えぐい停滞。
「見栄えだけの抽象的な言葉で、目の前の現実をうやむやにしようとしても、実際のところ、リアルは、何にも変わらへん。お経を唱えて救われたと勘違いするんは自由やけど、ホンマに救われた奴は一人もおらん。――テンプレで遊ぶんは結構やけど、テンプレに呑まれんな。お遊びのうちは、まだ半笑いで許されえるけど、ガチになってもうたら、ガラス細工のレプリカになってまうど、ぼけぇ」
まっすぐな言葉で、センを矯正しようとしてくる。
そんな田中の発言に対し、
センは、
「……田中、お前はブレねぇなぁ……」
シバき上げられた頬をさすりながら、
「俺がヘラった時、毎回、同じ内容の説教をかましてきやがる……鬱陶しいこと、この上ない……」
「それは、こっちのセリフやねん。しんどいんは分かるけど、壊れるな。鬱陶しいから」
「しんどいのは分かる? お前に何が分かるんだよ。実質的には『20年以下の時間』しか感じていないくせに」
「他人がどんだけ苦しんどるか、デジタルに理解することなんざ無理やけど、『あれは、さすがにしんどいやろうなぁ』と同情するぐらいやったら、難しくない。それだけの話でしかない、ただの言葉に、いちいち、メンヘラなかみつき方してくんな。『正確なことだけ』しか言うたらあかんとしたら、お前の痛みなんかワシは一ミリも分からへん。わかりたくもない」
「どうして、あなたは、いつも、そうやって、理屈ばっかりこねるの! こっちは共感してほしいだけなのに! 信じられない! あんたなんて嫌いよ! 顔を見るだけで、ヘドが出るわ! 鬼畜! 外道! 人外! 気狂いサディスト!」
「共感したら、『お前に何がわかる!』とキレられて、『別に分からん』と反論したら、『共感しろ』とキレられる……ほんま、メンヘラってゴッツいな……」
★
――さらに追加で20兆年の月日が流れ、
合計50兆年という『実質永遠』を積んできたセンエース。
その結果、どうなったかというと――
「ちょっ、マジか、これぇええええ!! ずっと、停滞してんだけど、これ、マジィイイイイイイイイ?!!!」
頭を抱えて、全力で悲痛を叫ぶ、
御年50兆歳超えの、でぇベテラン、
舞い散る閃光センエースさん。
「もう50兆年経ったんだぞぉお! 50兆だぞぉおお! マジか、俺ぇえ! よくもまあ、50兆もやってんなぁ! なんで、俺、灰になってねぇんだよ! もう、怖いわ、それだけでぇ! きしょいわ、俺ぇええ!!」
とにかく、中身のない文句を叫ぶセンエースさん。
心と体がバラバラになっているみたい。
なんだか、フワフワしていて、現実感がない。
「全部で50兆もやってきて、ほとんど、なんの進展もねぇええ! えぐいてぇえええええええええええええええ!!」
なんの進展もないということはない。
戦闘力は、別次元になっている。
存在値だって、キッチリあがっている。
配下たちも、頭おかしいレベルで磨かれている。
――ただ、センエースが求めている領域は、そういう次元ではなくなっているというだけのこと。
「3も真3も真7も、ほぼ完全に扱えるようになったのに、なんで、同調させようとしたら、こんな出来なくなるかねぇ!!」




