表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1113/1228

16話 レベルや存在値なんか飾りです。エロい人にはそれがわからんのです。


 16話 レベルや存在値なんか飾りです。エロい人にはそれがわからんのです。


 ――あらかた準備が終わったところで、

 ヌルが、センの目をみて、


「もう止めはしないが……最後に、もう一度だけ聞く。本気でやるのか? もう引き返せないぞ。ループ回数を200兆年分にまで膨らませる過程で、お前の願い通り、『途中で辞めることはできない』というアリア・ギアスをかけた。開始したら、200兆年やり切るまで終われない。本気で……今まで稼いだもの全部を捨てて、200兆年も――」


「しつけぇなあ」


「しつこくもなるさ。だって、また、存在値一桁から始めることになるんだぞ。お前が必死に積み上げた5兆年が消える。完全な存在値一桁のゴミからスタートして――」


「俺の器は消えない」


「っ」


「俺が積み重ねた5兆年を使うことにはなるが、『苦しみぬいて5兆を魂に刻んだ事実』は消えない。俺の中で『器』として残り続ける。レベルや存在値なんか飾りです。エロい人にはそれがわからんのです」


「……」


「さて、じゃあ、そろそろ始めるぞ。200兆年……長い旅になりそうだ」



 ★


 センエースを見送った後、

 ヌルは、天を仰いで、


「まさか、俺の経験値で足りないとは思わなかった。クソッタレが。俺はピエロにもなれねぇのか」


 と、情けなさそうにつぶやいている。

 そんなヌルに、ソルが、


「いや、流石に足りているぞ」


 と、声をかけてきた。


「は? 足りてる? え? だってあいつ……え? どういうことだ、ソル。ぁ、お前、もしかして、あいつに、偽の情報を流した? なんてことするんだ、てめぇ!」


「いや、俺は正確な情報をわたした。センエース・ヌルからゼノリカを完全に奪還し、その功績を、すべての命が理解し、センエースを崇めた時の信仰ポイントと、センエース・ヌルの数値を完全に消化した際のポイントを全部使えば、センは『真に輝く明日』に届く。その事実をセンは確実に間違いなく正確に知っていた」


「じゃ、じゃあ、なんで――」


「ヌル。貴様の献身も、そこそこたいしたものだと思うが、センエースはその比じゃなかった。それだけの話だ」


「……」



 ★



「……」


 意識を取り戻した時、センは、自室で、ゲ〇ムボーイ片手に、

 ムーア最終の作成に取り組んでいた。


 センは、いったん、ゲ〇ムボーイの電源を切って、深く息を吐いてから、


「……え、マジで200兆年やる感じ? まじで?」


 と、己の暴挙を自問自答。

 ヌルの前では、『救いを求める弱者の前ではカッコつけてしまう』と言う悪癖が炸裂してしまっただけで、本心で言えば、


「もう、まじでぇぇ?! せっかく5兆かけて磨いた経験値、全部無くしたの? ふざけんなよ。なんでだよ。なんで、あんな、顔面偏差値48のへちゃむくれのために、俺が5兆年を棄てた上で、200兆年も地獄みないといけないんだよ。ふざけんじゃねぇよ。可愛い女の子のためとかなら、まだわかるけど……いや、仮に、相手が世界一の美女でも、流石に、5兆年の損失と、200兆年のおかわりはありえねぇだろ。もう、勘弁してくれよ。もうほんとに、もう あー、もう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ