表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1104/1228

7話 ザンクさんは、実は超性能。


 7話 ザンクさんは、実は超性能。


「気づいていないかもしれないが、こっちは疲れてんだよ。5兆6000億年も、ひたすらに頑張り続けて、その結果、茶番をつきつけられて、ぶっちゃけ、ガチの死闘を演じるよりも、普通に、精神的にしんどい状況なんだよ。こちとら、一刻もはやく帰って休みたいんだよ。だから、お前を黙らせたい。それだけだ。マジでそれだけ。いや、ほんとに。本当のマジで。これに関しては、照れ隠しとか抜きのマジで」


「そんなに休みたかったら、ザンクさんを殺して休めぇ!」


 そう言いながら、1002号は、ひたすらに、センへと殴り掛かる。

 そのすべてを、センは、さらさらと、よどみのない流水のように回避して、


「閃拳」


 軽めの閃拳を、1002号の腹部にたたきつける。


「ぶげへっ」


 盛大に吐血して、フラフラと、その場に倒れこむ1002号。


 くらくらして、ずきずきする。

 そんなボロボロの自分と向き合いながら、

 1002号は、


「……今のザンクさんの……存在値は……1京を……超えとんのやぞ……その上で、トウシがCPUやってんねんぞ……この5兆年の間、トウシの中で……ザンクさんも、お前と闘い続けて……戦闘力を上げてんねんぞ……それやのに……こ、こんなに差がつくんおかしくね? ……な、なんで、こんな差がついとんねん……」


「そりゃ、こっちは、山ほどの縛りを受けた上で訓練していたからな。そっちと同じ成長率なわけがねぇ。どんだけ才能に違いがあろうと、流石に、あれだけの縛りの恩恵を凌駕することはできねぇだろうよ。てか、ずっと裏で見続けていたってんなら、俺がどのぐらいの高みに至ったかもわかってんじゃねぇの? なんで、そんな疑問をいだくことがある?」


「別に……本当にわかんなくて聞いたわけやない……嘆いただけや……嘆きにマジレスすんな……きしょいのう……」


 そう言いつつ、

 1002号は、回復魔法で自分を整えていく。

 ある程度、整ったところで、


「こっちかて、そこそこの縛りをした上で、訓練しとった……もちろん、そっちよりは下やったけど、それなりに、ゴリゴリに訓練しとったんじゃい……それやのに……まったく歯が立たんということを悔しく思うぐらい、権利として正当やろがい」


「そんなこと言われても知らんがな、としか言いようがないな」


 と、軽い言葉で、1002号の嘆きをながすセン。


 そんなセンを尻目に、1002号は、


「……『ザンクさんだけでも、最低限の対応はできるはず』と自惚れとったんやけど……まさか、ここまで、話にならんとは、あまりにも想定外やった……ハズぅてしゃーない……仕方ねぇ……」


 そう言ってから、ギリっと奥歯をかみしめ、


「……オメェの出番だぞ、ヌル」


 そう言うと、

 1002号の全身が、『黒の上裸じょうら鎧』に包まれていく。

 そして、意識も切り替わったようで、


「……1002号の野郎、そこそこ期待してやっていたのに、クソの役にも立たなかったな。あいつは、我ら、『センエース殺し隊・五天王』の中でも『最弱の面汚し』よ」


「ヌル、か……んー、どっかで聞いたことがある気がするけど、あんまり思い出せないってことは、たぶん、ザンクさんとやらと同じで、たいしたやつじゃないってことだろうな」


「なかなか、せめた挑発じゃないか、センエースさんよぉ。この俺をナメてしまうことは世界のデフォルトだとしても、しかし、その代償は重たく払ってもらう。心の底から後悔させてやるぜぇえ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ