3話 『舞い散る閃光センエース』VS『正統なる銀河の支配者タナカ・イス・トウシ』。
3話 『舞い散る閃光センエース』VS『正統なる銀河の支配者タナカ・イス・トウシ』。
「……『お前を殺したい』という憤怒が『俺を支えていた』のは事実だが、お前自身に支えられてきたわけじゃねぇ。お前はひたすら、俺に嫌がらせをしていただけだ。ちゃんと宣言しておくが、シュブを殺したあとは、お前の番だ。俺の目標は、あくまでも貴様だということを忘れるな」
「ふむ、そうか。……ほな、『シュブを倒したあと』やなくて、ワシのことは、『シュブと一緒に殺す』ってのはどうや?」
「……あん?」
「もっとも、そう簡単に殺されてやるつもりはないけどのぉ。限界まで抵抗して、なんやったら、逆に殺し返したる」
「……」
そこで田中は、アイテムボックスから、一枚の魔カードを取り出して、
「豊穣空間ランク3200」
カードを破りながら詠唱。
最終決戦が、いま、始まろうとしている。
★
田中の魔カードによって生成された空間は、大量の効果をもつ特殊空間。
特に高い効果を持つのは、
『この空間内にいる間、シュブ=ニグラスのステータスが上昇する』というバフ効果。
準備を整えると、
田中は、
「強化されたシュブ=ニグラスを装備したワシは、なかなかエグいから、覚悟せぇよ」
そういいながら、
「さあ、シュブ=ニグラス、契約の時間や!!」
サラっとシュブを召喚した。
当たり前のように、アンリミテッドの状態で呼び出す田中。
見覚えのある美女が、ジオメトリの奥から這い出てきたかと思った直後、その美女は、巨大な盾の形状に変化して、田中の手の中におさまる。
レプリカではない、本物のプライマルコスモゾーンレリック。
「なんのつもりだ、田中」
「簡単な話。シュブがラスボスと思わせて、実は、田中トウシがラスボス。単純なひっかけ問題」
「……」
「さあ、センエース。ワシとおどれ、どっちが上か、きっちり、この場で決着つけようやないか」
「いつからそんな話になったんだ? 『シュブが召喚されるから、さあ大変』って話じゃなかったのか? なんで、唐突に、『田中が出てきて、こんにちは、センちゃん一緒に遊びましょう』の流れになった?」
「最初から、コレは、そういう物語や。お前が知らんかっただけでな。仮にタイトルをつけるとしたら、この物語は、『正統なる銀河の支配者タナカ・イス・トウシVS舞い散る閃光センエース』になるやろう」
「……へぇ。そいつは知らなかった」
「さあ、行くぞ、センエース。決着をつけよう!」
そう宣言してから、
田中は、
「天星神化7!!」
自身に可能な最強の固有神化をベースにした上で、
「真醒・究極超神化3!」
真醒の3を合わせるダブルを起動。
凶悪な出力を暴走させて、
空間を駆け抜けた。
反射で、センもダブル神化する。
素の『究極超神化3』をベースにした『真醒・究極超神化7』のダブル。
神化の質だけで言えば、田中の方が遥かに上だった。
存在値の点だけで言えば、田中はセンエースを大幅に超えている。
「素3ベースのダブルごときで、ワシの攻撃に耐えられるとでもぉ?!」




