表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1093/1228

92話 真醒・究極超神化7。


 92話 真醒・究極超神化7。


 背負いまくった地獄に加え、伸び悩みという重たいしんどさまで抱え、もう、本当に、『いっそ死ねたらどんなに楽だろう』と、そんなことばかりを考えながらも、しかし、最後の最後では、どうしても踏ん張って耐えてしまう、そんな自分の厄介すぎる根性に辟易しつつも、必死に、『それでも』と叫び続け、折れずに戦い続けていたある日、

 ――センは、



「……ん ああ、そうか」



 何かに気づいた。


 その『気づき』を言語化するのは恐ろしく難しい。

 セン自身も、自分が何に気づいたのか正確には理解していない。

 ただ、




「――真醒・究極超神化7――」




 2周目の段階で、センは、真醒・究極超神化の6までマスターできていた。

 だが、7になるのが、とにかく難しかった。

 いくら頑張っても、なかなか届かなかった。

 ここまでの数兆年の中で、何度も諦めた。

 自分では無理なのかもしれない、と、頭を抱えていた。

 とっかかりも、ヒントも、糸口も、尻尾も、何も見えていないまま、センは、闇の中で、必死に、手探りで、答えを求め続けた。

 その結論が、今。

 センエースは届いた。


「は、はは……」

 

 つい笑みが溢れた。

 センは、自分の手が届いた、新しい世界を、ぎゅっと握りしめて、感触を確かめる。

 

「ちっちぇなぁ」


 テンプレだったが、ただのテンプレではない。

 ちゃんと本音でそう思ったから口にした。

 その感想の対象は、数秒前の自分。

 6に溺れていた当時の自分。


 センは、にぃと笑い、


「でも、自由だった。今の俺は、あまりにも不自由。贅肉だらけで、草も生えない」


 静かな声音で、自己を分析する。

 『真醒・究極超神化7』の奔流ほんりゅうに、センはついていけていない。

 覚醒したばかりなので、それも当然の話。


(……ループのリミットまで、あと3000億年くらい、か。……短いな。正直、全然たりない。そんな短い時間じゃ、下地しか作れねぇ。それじゃ話にならない。……あと『5周』ほど追加して、完璧に仕上げよう。うん、そうしよう)


 などと、心の中で、だいぶトチ狂ったことをほざいているセンに、

 田中が、テレパシーで、


(何いうてんねん。アホか)


(どうした、正統なる銀河の支配者よ。神の王たる私に何か申し入れたいことがあるのか。よかろう。話すが良い。聞いてしんぜよう)


(合計6周、全部で5兆6000億年分のエネルギーを確保するために、こっちがどんだけ苦労したと思ってんねん。なんでもかんでもタダちゃうねんぞ。だいぶ無茶して、コスモゾーンに借金とかもしてんねん。これ以上は無理やからな)


(安心しろ、正統なる銀河の支配者よ)


 センは、ニッと、柔らかに、初夏の太陽のように微笑んで、


(無理を通せば、道理は引っ込むもの。『もう無理だ』と思ってからがトレーニングのはじまり。というわけで、田中。あと10周、追加だ。よきにはからえ)


(無理やと言うとる。もうリソースが完全に尽きて、ワシの魂魄を全部使うぐらいの、やばい無茶をしとんねん。これ以上の追加は出来ん)


(……魂魄全部を消費してしまったのなら、異次元同一体の魂魄も全部消費すればいいじゃない)


(革命まったなしの圧政やな。もう搾取とかいうレベルやない。強奪という言葉すら可愛く思える諸行。ちなみに言うとくと、異次元同一体の魂魄も全部使った上で、追加の5周、合計6周をお前にくれてやったんや。だから、もう無理)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ