66話 エグさが増していくし、センに未来はない。
コミカライズ版センエース、
12話配信記念!!
1日10話投稿!
二日目!
本日の8話目!
66話 エグさが増していくし、センに未来はない。
「俺は自由でありたい。それに、あいつらにも自由であってほしい。俺との関係に縛られて、思想の幅を狭めるようなことはしないでほしい。『子の可能性を閉じたくない』って気持ちは、そんなに、どうしても分からないものか? なぁ? 正統なる銀河の支配者、田中・イス・東志よ」
「……」
「頼む。この通りだ」
そう言いながら、センは、ピシッとした、完璧な土下座をしてみせた。
田中は、『その姿に心打たれた』とでも言いたげなテンションで、
「しゃーないな。そこまでされたら、こっちとしても、無視するわけにはいかん。お前の望み、受け止めたる」
「ありがとう、田中。お前は俺の命の恩人だ」
と、そう言いながら、センは、田中には見えないように顔を伏せたまま、ベーと舌を出す。
(へっ。土下座なんざ、ただの『特殊な座位』にすぎない。俺は、ちょいとラフな姿勢で、お願いをしているだけだ。いいように転がされて無様だな、田中きゅん。俺がお前に本気で頭なんか下げるか、クソが。テメェは、便利に使われるだけの舞台装置。それ以下になる可能性はあっても、それ以上にはなりえない秘密道具に過ぎないんだよ。くっくっく)
(こいつ、絶対に腹の中で舌を出しとるやろうなぁ。もう見え見えすぎて、指摘する気にもならん。こちとら、お前がガチ中のガチで土下座かましてきたって、配下たちの感情をどうこうする気は一切ないんや。そっちが、安い嘘で『懇願のフリ』をかましてくるなら、こっちも、それにならって、安い嘘の返事で処理させてもらう)
腹の底で、そんなことを思い合いながら、
2人はにこやかに、
「しかし、センさんよぉ。お前も大変やなぁ。あそこまで、強烈に慕われたら、流石にしんどいわなぁ」
「いやぁ、さすが田中だ。よくわかっている。そこに気づくとは やはり天才か」
「まあ、それほどでもあるかもしれへんな」
「田中。俺は、お前を心の友と言いたい気がする。この想いが『気の迷いである可能性を捨て切れない』という点に目を瞑ればの話だが」
「ワシもや。お前を大事な友人やと言いたい可能性がある。並行世界のどこかでは、その可能性が成就しとる次元もなくはないやろう」
『友と言いたい』だけで『言ってはいないんじゃい』と言う、謎の精神マウントを、互いに取り合うと言う、一生不毛なやり取りをするバカ2人。
とても、『世界最高の高潔さ』や『銀河一の頭脳』を有する超人同士の対話とは思えなかったとさ。
めでたし、めでたし。
★
――豪烈閃化を獲得し、異常なほど強くなってしまった配下たち。
おまけに、どうやら、魂の中核がセンに寄り添っていれば、『センエース化』することが可能な模様。
現状、この世界で存在している限り、『ゼノリカに関する記憶』はないし、『センエースに対して謎の嫌悪感が発動している状態』だが、しかし、普通に、『轟烈閃化』することができている。
センの熟練度をトレースできる特性上、当たり前のように、余裕でダブルを使いこなしていく。
配下たち全員が、べらぼうに強すぎて、普通に、センは、100日ちょっとで、500回以上殺されましたとさ。
めでたし、めでたし。




