64話 タナえもぉおおおおん!!
コミカライズ版センエース、
12話配信記念!!
1日10話投稿!
二日目!
本日の6話目!
64話 タナえもぉおおおおん!!
「――はっ……っっ!」
意識を取り戻した時、センは、自室で、ゲ〇ムボーイ片手に、
ムーア最終の作成に取り組んでいた。
「……ああ……夢か……そうか……そうだよな……そんなわけねぇもんな。あー、よかった。夢で。そうだよね、全部、夢だよね。ありえないって、そんなこと、ははっ」
と笑っていると、
そこで、
呼んでもいないのに、ヨグナイフが、勝手に、センの目の前に顕現して、
「ボーナスタイムだ。今回獲得した経験値を割り振っていけ」
「……500億ループは夢じゃなかったか……まあまあ、そこはいいよ。そこに関しては、まだ許容範囲だ。全然、オッケー。問題なのは、あいつらの『勘違い狂信』が、さらに膨れ上がったという謎の暴走。そっちは流石に夢だ。そうだろう、ヨグ。俺が何を言っているか、さっぱりわからないだろう? みなまでいうな。わかっているから。俺が、配下から、過剰に狂信されるとか、そんなことあるわけないもんな。そうだよ。全部、夢だったんだよ。俺は、配下から信仰されてなんかいない。全部、俺の妄想なんだ。痛い妄想だなぁ、気持ち悪い。なんで、そんな、キショすぎる夢をみるかなぁ。まったく、情けないよ。現実で、誰にも愛されていないから、愛に飢えているのかな? みっともない。それでも、孤高民族ボッチ人のエリート王子かよって話だ。なあ、ヨグ。お前もそう思うだろ? 『イエス』か『はい』のどちらかで、返事を頼む」
「私と、田中と、ハスター、全員総出で、どうにか、配下連中に対し、『センエースが折れるまでは黙ってついていく』という約束をとりつけようと頑張ったんだが、あいつらの中で芽生えた絶対的狂信があまりにハンパなさすぎて、どうしようもなかったから、途中で、空間を破壊することで強制シャットアウトした。つまり、問題は何も解決していないのだが、まあ、この件に関しては、『ループしている間だけ』なら、どうにかなるだろう。ループが終わって、元の世界に還った後は、お前に対する過保護が、これまでとは比べ物にならない勢いで炸裂すること間違いないが……まあ、それは、自分でどうにかしてくれ。私は知らん」
「……」
死んだ目で虚空を見つめているセンに、
ハスターが、背後から、
「……センエース、契約の時間だ」
と、前置きもなく、そう言った。
センは、ハスターのことは完全シカトで、
頭を抱えて、
「どうする……どうするべきだ……このままだと、やばい……どうにかしないと……」
と、『闇金での借金が膨らんでしまった債務者くん』のような顔をしていた。
どうする、どうする、
と、答えのない泥沼で溺れていると、
そこで、
センさんが『世界で一番頼りにしている天才』が、ひょっこりと顔を出して、
「タイムリープ、どうやった? うまいこと、いけた? いい感じに殺された?」
などと聞いてきたので、
センは、
「タナえもぉおおん! もう、君だけが頼りだ! 助けて! 僕を救って! 最悪、君に忠誠を誓ってもいいから、だから、とにかく全力で助けて! 足でもケツでも、なんでも舐めるからぁ! だから、お願いだから、『俺に対する勘違い狂信』という名のジャイアンに、ビシっとジャーマンを決め込んで!」




