63話 無限ループって怖くね?
コミカライズ版センエース、
12話配信記念!!
1日10話投稿!
二日目!
本日の5話目!
63話 無限ループって怖くね?
「……もう、お前らだけでいいんじゃないかな……」
「お前が強くなればなるほど、配下も強くなる、というパターンの強化やから、あいつらだけでええってことはないと思うけど」
「わかっとるわい。ただのテンプレだ。いちいち、ウザい絡みしてくんな、鬱陶しい」
などと、対話していると、
そこで、配下たちが、
全員、オーラと魔力をひねり上げていく。
べらぼうに大きくなった配下たちは、その輝きをセンに魅せつける。
全員を代表して、
平熱マンが、一歩前に出て、
「……師よ。この上なく尊き命の王よ。師の果て無き高貴な研鑽が、ボクらの中で、瞬いているのを感じます。今のボクらは、より深く、強く、師の『命に対する献身』を実感できるのです。ああ、主よ、神よ、父よ。あなた様こそ、全てを包み込む光」
「違うな。俺は父にはなれない。なんせ、童貞だから。なんの才能もなく、友達が一人もいない、彼女いない歴=年齢の、真正のキ〇ガイ。独善的で、性根がちゃんと腐っている、稀代のファントムトーカー。ただただ不気味で、スタイルが悪く、髪質がごわごわで、目つきが悪く、口元がヘの字にまがっている。ありとあらゆるセンスに欠けている顔面偏差値3のサイコパス。それが俺だ。それ以下になることは、いつだって、綽々(しゃくしゃく)で余裕だが、それ以上には、決してなりえないガチガチの事故物件」
このままでは、色々とやばいと思ったセンは、
どうにかして、自分の評価を落とそうと奔走。
本来、配下の前ではカッコつけたがるセンだが、
もはや、この期に及んでは、
下手にカッコつけるよりも、
将来的な実利を優先すべきである、
という、合理的判断に身を任せることにした。
「果て無く尊き師が、これ以上傷つく様子を見ているわけにはまいりません。師よ、どうか、これ以上の無茶はおやめになってくだ――」
「待て待て待て待て、その件は、さっき終わっただろう。とりあえず、俺が折れるかどうかにゆだねるということで話はついたじゃねぇか。なに、どさくさにまぎれて、むしかえして、ひっくり返そうとしてんだ。ゆるさねぇぞ。その暴挙だけは、さすがに見逃せねぇ」
「あの時点での我々は、まだ、師の尊さを理解できていなかったのです。我々は、この期に及んで、まだ、師を誤解しておりました。師の尊さを正しく認識できていなかった。恥ずべき話です。申し訳ございません」
「何を謝っているのか、さっぱりわからん」
「果て無く尊き師が、これ以上傷つく様子を見ているわけにはまいりません。師よ、どうか、これ以上の無茶はおやめになってくだ――」
「無限ループって、こわくねぇえええええええええ?!」
★
「――はっ……っっ!」
意識を取り戻した時、センは、自室で、ゲ〇ムボーイ片手に、
ムーア最終の作成に取り組んでいた。
「……ああ……夢か……そうか……そうだよな……そんなわけねぇもんな。あー、よかった。夢で。そうだよね、全部、夢だよね。ありえないって、そんなこと、ははっ」




