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57話 話し合い。

コミカライズ版センエース、

12話配信記念!!

1日10話投稿!


本日の9話目!


 57話 話し合い。


「お前が、世界のために、弱い命のために、配下のために、ここまで何をしてきたか……どれだけの痛みを背負い、どれだけの孤独を受け止め、どれだけの高潔さを魅せつけてきたか、その全てを、ここにおる全員、今、この瞬間だけは、正しく理解しとる。その結果、全員の中で、『共通の願い』がうまれた。それが、さっきの要求。……『もうやめてくれ』。それが全員の総意」


「……最強を求める旅路を、『迷惑』扱いされるとは、これいかに。まさか、俺のワガママが、『ウザからやめてほしい』という『暴走族の騒音扱い』される日がくるとは、心外もいいところ。まあ、お前らがどんだけ迷惑に思おうと、関係なく、俺は俺のポリシーを貫くけど。人の迷惑を顧みないDQN。それが、俺。舞い散る閃光センエース。どうぞよろしく」


「ファントムトークで逃げようとしても無駄やで。ちゃんと見てみぃ。ここにおる全員、面構えが違うやろ。ハンパな戯言でケムにまけるほど、ここにおる全員の心に宿った光は安くない」


 言われて、配下たちの目を、しっかりと確認する。

 全員、バキバキの目をしていた。

 完全にラリっている。

 どう見ても狂人です。

 本当にありがとうございました。


 田中が、一同を代表して、


「これまでも、この手の懇願を受けたことは、何度かあるやろ? 記録の中に刻まれとるやつで、代表的なヤツは、バグ戦でのドナかな。あの時も、お前は、『もう、やめてくれ。見るに堪えないから』と泣きつかれて、『諦めること』を求められたわけやけど、今回は、一人の懇願ではなく、全員の懇願や。サラっと無視するわけにはいかんやろう。全力で向き合ってもらう。正直、ワシも、いい加減、頑張りすぎやと思うとる。ワシは、お前に、最後までやってもらう気満々なんやけど、ワシかて普通の感性を持ってないこともないから、『これ以上やったら、壊れてまう』と心配になる気持ちはわからんでもない。だから、この場を設けさせてもろた。とりえず、ここらで、一度ぐらいは、ちゃんと、冷静にガチで話し合ったほうがええやろうっていう大人の判断やな」


「……」


「センエース。ここにおる全員が、お前に対して、『あきらめていい権利』を渡したいと願うとる。これ以上、お前が壊れることを、誰一人として望んどらん。『頼むからもうやめてくれ』と、『お前が大事にしとる連中』全員が、心の底から願っとる。命の王として、その意見を無視することはできんで。決断の時や。選べ。センエース。全員の想いを踏襲したうえで、答えを出せ。テキトーに決めるな。個人の感情論だけで舵をとるな。命の王として責務を果たせ。王を名乗ってしまった以上、お前には、責任をとる義務がある」


 そこで、それまで黙ってイスに座っていたシューリがスっと立ち上がり、

 センの目の前まで歩くと、センをソっと抱きしめて、


「もういい」


 と、丁寧な口調でそう言った。

 いつものラリった赤ちゃん言葉ではなく、

 真摯なメッセージ。


「あんたはよく頑張った。だから、もういい」


 続いて、

 『それまで頭を下げていたアダムとミシャ』も、

 立ち上がり、センのもとまで歩いてきて、

 センを抱きしめて、


「主上様、お願いします。あなた様の苦しむ姿をみるたびに、心が張り裂けそうで……」


「セン様。もう、やめてください。それ以上、壊れないで……」


 シューリとアダムとミシャの三人に抱きしめられ、

 『もうやめろ』という、重たい愛を押し付けられる。

 ちなみに、言うまでもなく、

 今の二人は、カミノに調整された状態ではなく、

 完全なる本来の二人。


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